庭づくりのデザイン~施工を行っております、新美園:新美雅之です。
お庭をみるみる占拠してしまう雑草、この生育・増殖力に困ってしまっている方も多いのではないでしょうか。
雑草の成長は春から始まり夏を過ぎた秋口まで続き、特に普段人が歩かない地面や放置されたお庭では特に雑草が強く育ちます。
この為草むしり・除草作業は暑い季節に行う事となりますので疲労や負担も大きく、にも関わらず雑草はすぐに再発生をしてしまいます。
新美園では雑草対策の施工そのものを承ります他、雑草対策を取り入れた庭づくりも多く行っており、こちらのページではデザインや機能性を取り入れるおしゃれな雑草対策方法の他、対策として使いやすいおすすめな資材のご紹介もさせていただきます。
雑草対策とは?
一般的に雑草対策とは「雑草の発生を抑制する為の対策」であり、雑草の発生自体を防ぐ為に土面へ何らかの資材を覆い被せる事を指します。
まず雑草の発生には日光が不可欠である為、土に陽が当たる事を防ぐのが第一の目的となります。
土面への陽当たりを防ぐのが環境的雑草対策であり、資材をしっかりと地面の上に固めて雑草を生えなくするのが物理的雑草対策と言えるでしょう。
土面を覆って日光を遮断する為の素材としては防草シート+砂利敷きが代表的であり、さらに強い物理的な雑草対策を行う場合は平板や敷石、タイル等のペイピング材を敷き込む、あるいは土面自体をコンクリートで固めて塞いでしまう対策方法もあります。
これらの雑草対策を検討する際、単純に雑草を防ぐという目的だけで行うのではなく、資材選びや設置レイアウトの工夫によって出来るだけおしゃれに見せる事で、雑草に悩まされないおしゃれなお庭へリフォームする事も可能になります。
雑草対策で考えておくべきポイント
一口に雑草対策と言っても色々な対策方法があり、それぞれ雑草抑止効果や見た目も大きく異なります。
雑草対策を考えるのであれば多くの対策方法からどれを行うのか選ぶ必要がありますが、その前に雑草対策を行うにあたり考えておきたいポイントがあります。
どんな事があるのか、具体的に解説していきます。
コスト
雑草対策を行う以上、どうしても費用・コストは発生します。
コストをなるべく抑えたい場合、まず最もコストが掛からないのはDIYによる雑草対策であり、これは多くの方が実践しています。
DIYで雑草対策を行うのであれば、施工難易度もそれほど高くない方法がおすすめで、やはり防草シートと砂利敷きによる対策が良いでしょう。
ただし砂利は重いので販売店からの運搬に乗用車を使うのは危険ですので、店舗から軽トラックを借りて運ぶ事も想定しておきましょう。
また雑草対策工事を業者へ依頼する場合のコスト対策として、施工する部分を限定するという手もあります。
お庭全体へ雑草対策を行うのではなく、一部分だけや建物回りだけを依頼する等でコスト削減を行えます。
写真の実例の様に建物に面した目立つ場所や快適に過ごしたい場所、そんな場所を優先して雑草対策を行うという手もあります。
お庭の面積が広くてどこから雑草対策をすれば良いのか迷ってしまう場合は、この様な限定的雑草対策を承る事もあります。
庭の使い道や目的に合わせる
雑草対策を行うその場所の使い道によって、適した対策と適さない対策があります。
例えばお子様の遊び場として使う場所に雑草対策を施す場合、そこは駆け回ったりする事が前提となる筈です。
その様な場所へ砂利やチップによる雑草対策を行ってしまうと砂利が散らかりますし、小さなお子様であれば砂利の飲み込みも危惧されます。
かと言って頑丈な平板や敷石で雑草対策をしてしまうと転んだ時にケガをしやすく危険という事になりますので、この場合は走り回っても景観が乱れず転んでもケガをしにくい、人工芝による雑草対策が適しているという訳です。
逆に頑丈な平板を使って雑草対策を行うのであれば、そこはテーブルや椅子を置く様なテラスや歩行通路(アプローチ)として使うのが適しているという事になります。
雑草対策を行う場合はその場所の使い道を考え、耐久性や適性を踏まえた選択を行う様にしましょう。
清掃・掃除の容易さ
お庭がお好きな方であれば日常的な掃除のしやすさも考えておく必要があります。
これは特に砂利敷きによる雑草対策を行った場合ですが、掃除がしにくくなるという点は予め考えておく必要があります。
箒を使うとごみやチリと一緒に砂利まで掃いてしまう事になり、かなり掃除がしにくくなります。
つまり砂利敷きによる雑草対策を行うのであれば、落ち葉が常に落ちてくる場所や外から風でごみが吹き込んでくる場所は避けるのが望ましいでしょう。
頻繁に掃除を行う場所であれば平板類やコンクリート打ちによる雑草対策が適していますが、風を発生させてごみを吹き飛ばせる「ブロアー」があれば砂利上の掃除も可能ではあります。
この様な掃除機器の購入も踏まえ、総合的なコスト面も考えておくのが良いでしょう。
水捌け
線状降水帯やゲリラ豪雨の様な大雨が頻繁になった近年では、特に水捌けに注意する必要が生じています。
タイルや平板、コンクリート打ちによる雑草対策を行う場合、大雨による水が逃げる道が確保できるかどうかを見定める事が肝心です。
また、その水の逃げを促す「水勾配」と呼ばれる水を流す為の傾斜を正しく施工しておく事が大切です。
しかし水の逃げ道が全く無い四方を囲まれた様な場所であれば砂利敷きによる雑草対策が安全で、水は速やかに砂利下へ浸透し、防草シートを通って土中へ水が浸み込んでくれます。
また、砂利敷きであれば雨の後も水溜まりが出来にくく、雨上がり後もすぐに歩けるというのがメリットと言えるでしょう。
植栽とのバランス
「雑草対策を施したものの、庭木が無くて殺風景になってしまった。」
こんなケースは避けたいものです。
雑草対策のほとんどはそのエリア内へ木を植える事が難しくなりますが、工夫次第で植栽を取り入れて景観バランスを保つ事が出来ます。
まずは最初に庭木を植えたい場所を決めてきちんと区分けして残しておき、それ以外の部分へ雑草対策を計画していくのがおすすめです。
雑草対策を行ってからですと植栽計画も難しくなり、植える場所を新たに確保するにも工事コストが掛かってしまう事もあります。
まずは将来的な面も含めて、植栽の場所を最初に決めておくのが良いでしょう。
お住まいで雑草対策を行う主な場所
雑草対策の施工はお庭だけとは限らず、お住まい敷地のあらゆる場所へ行うものです。
雑草対策はどんな場所へ施す事が出来るのか、その例と対策を見てみましょう。
お住まい周り(裏手)の通路
建物と外周の間には必ず空間があり、そこはあまり歩く機会の無い通路の様な場所になっているものです。
この外周通路には室外機や給湯器等の住宅設備が集約される為に人がほとんど歩く事はなく、僅かな雑草の種も発芽しやすい傾向があります。
加えてこの様な場所は狭くて蚊や蜘蛛の巣が多く、除草作業がしにくい場所でもあります。
この様なお住まい外周通路への雑草対策は、出来るだけ安価に済ませられる防草シートと砂利(又は砕石)敷きが最もおすすめとなります。
写真の様に色味も綺麗な化粧砂利を使えば暗い通路も明るくおしゃれに見えますし、外周通路が綺麗になっていると心理的な防犯に繋がる効果もあります。
例えば通路が薄暗く雑草が生えていたりすると、普段全く人の気配が無いといった侵入心理に繋がる事もあり、この面でも外周への雑草対策が効果的と言えるでしょう。
駐車場周りや伸縮目地等
駐車スペースもお庭と同様に、人が歩く機会が少なく雑草が発生しやすい環境と言えます。
近年では日当たりの良い場所に駐車場があるケースも多く、これが雑草の増加を手助けしてしまいます。
普段から車が停まっている場合は直射日光が少なく雑草の発生も弱くなりますが、普段は車を置かない来客用の駐車場ですと陽が良く当たり、雑草が生えやすくなります。
稀に駐車場に芝生を張ってしまうケースが見られますが、日照を必要とする芝生は車の下では生育する事が出来ません。
芝生そのものが雑草の様な景観となってしまいますので、陽当たりが確保できない駐車場には芝生を貼らない様にしましょう。
写真の様に車両用通路だけがコンクリートで整備されている場合、やはり外周通路と同じく防草シートとおしゃれな砂利によって雑草対策を行う事がおすすめです。
砂利敷きにする事で雨による水撥ね・泥撥ねが軽減され、車の保護に繋がるというメリットも得られますし、砂利敷きにすると水たまりが出来にくくなる為、車の乗り降りの際も快適になる事が期待できます。
お庭への雑草対策
お庭への雑草対策は最も景観が重視されるので、対策の組み合わせやデザイン性を上手に取り入れて行うのが良いでしょう。
庭作りの資材には雑草の抑制効果を期待できるものが多く、これらを景観良く使って雑草対策を行う事で、おしゃれなお庭へのリフォームに繋がります。
雑草対策工事に費用を掛けるのであれば、その設置や組み合わせに工夫をして美しいお庭に見せたいものです。
お庭へ使える雑草対策資材としては平板類が代表的で、これらはペイピング材とも呼ばれて庭デザインの基礎ともなります。
雑草を物理的に抑制してくれるペイピング材は、使い方によってテラスや広場になったり、細長く繋げる事でおしゃれなアプローチになったりと、雑草対策に留まらないマテリアルと言えます。
雑草が生えにくい庭を目指すのであれば、まずペイピング材によって庭デザインの骨格を考えていくのが良いでしょう。
お庭をおしゃれに見せる雑草対策方法
ここからは、雑草対策をおしゃれに見せる方法をご紹介します。
漠然と雑草対策だけを行う場合に比べ、少しの工夫を凝らす事でお庭がおしゃれに見える様になるものです。
雑草対策によってデザイン性を楽しむには、どの様な方法があるのか見てみましょう。
砂利敷きのラインに模様を付ける
砂利敷きによって雑草対策を行った際は、必ず砂利を止めるラインが必要になります。
これは「砂利止め」と呼ばれ、ほとんどの庭づくりで設置されるものです。
そこでこの砂利止めラインに美しい模様を付けるだけで、砂利敷きそのものがおしゃれに見える様になり、一つのデザイン性を生み出してくれます。
もちろん直線ラインと植栽を合わせる等のデザインもありますが、特に多くの植栽を行わない場合はラインそのものが庭のデザインに直結する為、このライン取りは雑草対策を行う上でも重要な位置付けとなります。
DIYで砂利敷きによる雑草対策をお考えの方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
植栽のエリアと雑草対策エリアを花壇風に分ける
「雑草対策をしたいけど、緑が全く無いのも殺風景になってしまうのではないか?」
こんなお悩みで雑草対策の計画が滞ってしますケースはよくあります。
この場合は庭木の為の「植栽エリア」をきちんと設定しておき、周囲の雑草対策エリアと明確に区切るという方法があります。
この「区切り」が非常に大切で、植栽エリアの中に砂利が散らかってきてしまうという事を防ぎます。
植栽エリアと砂利エリアの区切りは景観としても重要で、これをレンガやナチュラルな石等にするだけでもおしゃれなお庭へイメージチェンジさせる事が出来ます。
写真は直線の区切りとなっていますが、上の解説の様に立方体のピンコロ石や自然石を使って曲線模様を描き、そのラインに合わせて植栽をすれば、更にワンランク上のお庭に見せられる事でしょう。
テラスを作って雑草を封じ込める
お庭の中へテーブルやチェアを置いて寛ぐ、そんなイメージのあるテラスですが、雑草対策の代表的な方法でもあります。
テラスを作る資材は平板やタイル、敷石等のペイピング材がほとんどであり、これらを設置する事でそこから雑草が生える事は無くなります。
雑草対策を意識した庭作りであればテラスの面積を大きく取り、まず広範囲の雑草を封じ込める事が景観的にも有効となります。
テラスであればお庭の中央に広く取っても全く違和感はなく、後はこのテラス周囲へ植栽や砂利敷きを行えば、おしゃれで雑草の生えにくいお庭が出来上がっていきます。
また、テラスは砂利・チップ等で雑草対策を施した場合よりも格段に歩きやすく、掃除もしやすいのがメリットです。
雑草対策の材料それぞれの色合いを組み合わせる
雑草対策の素材となる、砂利、バークチップ、テラス(平板)、人工芝、グランドカバー植栽、それぞれの持つ表情とカラーリングを組み合わせれば、デザイン性も豊かなおしゃれな雑草対策が可能となります。
庭づくりは「ゾーニング」というそれぞれのエリアを組み合わせる事が基本であり、写真の様に多様な雑草対策を組み合わせる事でも庭のデザインが出来上がっていきます。
雑草対策エリアにもそれぞれ使い道に違いがあり、
寛ぐ場所
歩く場所
遊べる場所
眺める場所
といったそれぞれのゾーンを組み合わせる事で、見た目もおしゃれなお庭を実現できます。
アプローチ(園路)を作って長距離の雑草対策を
お庭の面積が狭くても、土のままにしておけば必ず雑草は生えてきてしまいます。
デザイン性を取り込むのが難しい狭小庭や細長い庭の場合は、歩きやすい通路・アプローチを作って雑草対策とする方法が有効です。
アプローチ材を敷き込めばテラス作り等と同じく強い雑草抑制効果が発揮される他、実際に歩きやすく快適なお庭となるのがメリットと言えるでしょう。
和風の趣を取り入れるなら御影石の敷石や大谷石の敷石を使い、洋風の雰囲気を取り入れるのであればレンガを敷き詰めたりおしゃれな平板を使って通路を作るのがおすすめです。
アプローチ左右の残ったスペースについては、陽当たりや乾燥が強い場所であれば砂利敷きを行っておき、写真の様に半日陰や日陰の場所であれば下草類を植栽して美しい小庭に見せるのも良いでしょう。
雑草対策におすすめなマテリアル
ここまでは雑草対策の区分けや方法をご紹介してまいりましたが、ここからは雑草対策に有効なおすすめマテリアルをご紹介していきます。
DIYでも可能なお手軽なものから本格的な工事を要するものまで様々ですが、雑草対策の規模や必要性に合わせて選ぶのが良いでしょう。
防草シート
防草シートはその名の通り、敷き込む事で日光を遮断して雑草の発生を防ぐ為のシートです。
施工に使うのは、編み込みによって作られた柔らかく安価なシートと、頑丈な不織布シートに分けられます。
どちらも施工の際は幅1m~2mのロールを使うのが一般的です。
切り抜き加工性に優れた安価な防草シート
軽く薄いこちらの防草シートは農業シートとも呼ばれ、くり抜き加工がしやすくあらゆる場所へぴったりと敷設する事が出来ます。
ただし耐候性が弱い為に直射日光による劣化が起こりやすく、使用についてはシートの上へ何らかのマルチング材(砂利や砕石等)を敷き均して日光を遮断する事が必須となります。
比較的雑草の発生力が弱い日陰気味の場所への使用に向いており、裏手通路や日陰の庭作り等で活躍します。
不織布の防草シート(薄手)
不織布シートは農業シートよりも剛性・対候性が高く、雑草が強く成長しやすい日向への雑草対策に使用します。
スギナ等の雑草が防草シートを破ってしますケースが見られる事もありますが、多くの場合は織り込み農業シートを使用した時に起こります。
不織布の防草シートであれば多くの雑草による突き破りを防ぐ事が出来ますので、繁殖力の強い雑草が見られるお庭であれば不織布の防草シートを選択するのが良いでしょう。
ですが不織布の防草シートであっても上へ砂利敷きを行う事が推奨され、耐用年数を高める為にも行っておく事をおすすめします。
不織布の防草シートも加工性の良い薄手の製品があり、細かいくり抜き加工を多く必要とする場所におすすめ出来ます。
切り抜きが必要だけどある程度の強さも欲しい、そんなケースに適した防草シートと言えるでしょう。
剛性の高い厚手の防草シート
庭でよく見られる雑草とは異なり、野原や土手等で見られる剛健な雑草に対しての対策で使用するのが厚手の不織布防草シートです。
新芽が針の様に固い雑草は薄手のシートを突き破って生えてきますが、この様な防草シートであれば大体の雑草を抑制する事が可能になります。
厚手不織布の防草シートであれば対候性も高く、上に砂利敷きを行わずに防草シートを現しとした仕上げが可能です。
しかし防草シートのみで雑草対策を行う場合は僅かな日光の透過を防ぐ必要があり、微細な隙間へのテーピング処置を始め、止めピンの穴を塞ぐ等の施工も必要となります。
防草シートと建造物の隙間から雑草は発生する
防草シートは施工性も良く便利な物ですが、シートと建造物の隙間から雑草が生えてしまうという弱点があります。
ここから生えた雑草はよほど容易に抜ける場合以外は「切る」事をお勧めします。
無理に根を引くとシートがめくれ、土がシートの上にこぼれてしまいますので注意が必要です。
また、周囲に大切な植物が植わっていない限りは除草剤を雑草に掛ける事が有効で、除草剤の種類によっては葉から根まで浸透し、地下茎を弱体化させるものもあります。
地下茎が生きていてどんどん増殖するタイプの雑草については除草剤なら地下茎にダメージを与える事が可能で、雑草を根本から駆除する為にも有効な処置と言えます。
尚、シート同士の重ね目には「防草シート用強化テープ」を貼っておく事で大切で、これにより重ね目からの雑草発生を防ぐのと同時に、砂利がシートの重ね目をくぐってしまう事も防ぐ事になります。
砂利やチップ類
古くからお庭や通路へ砂利を「化粧」として敷き詰める風習はありましたが、近年の砂利敷きの目的は雑草対策が主となってきています。
砂利そのものに雑草抑制効果がある訳ではありませんので、あくまでも上でご紹介の防草シートの上へ仕上げとして敷き詰める事が前提となります。
下地にシートが無いと、砂利がゆっくりと土に沈んで泥混じりとなり、雑草がすぐさま発生する事になります。
砂利には粒の大きさはもちろん色の違いまで多くの種類があり、どんな砂利を敷くかによって庭の景観も大きく変わってきます。
シックな砂利からおしゃれな砂利まで、雑草対策に併せてお庭をコーディネートしてみましょう。
錆砂利
弊社の庭づくりにおいては欠かせない存在であります、錆砂利です。
粒の大きさは8~12mm程の混じりがあり、敷き詰めた際にお互いが噛み合って良く馴染みます。
真っ白の砂利は汚れが目立って眩し過ぎるものですが、白地に僅かに茶色が混じった錆砂利は汚れも目立たず、落ち着いた和風の趣も感じられます。
割れ肌の小粒砂利は嚙み合いが良いので歩いても砂利が動きにくく、砂利敷きにしては歩きやすいというメリットがあります。
洋風の化粧砂利
化粧砂利の代表とも言える、洋風砂利もございます。
割れ肌とは異なる滑らかな質感の玉砂利は、歩くと動きや沈みが発生しやすい特徴があります。
ですのでこちらの様に、歩行をする事の無い植栽エリアなどへの敷き均しに向いており、雑草対策を兼ねてお庭をおしゃれに見せるが出来ます。
トロピカルなパステル系の砂利
こちらの砂利は南国リゾートを思わせる、ホワイトが基調のパステルカラーです。
写真の様に琉球石灰岩と合わせる事でリゾート感を高めていますが、植栽も雰囲気を合わせて選ぶ事で完成度が高くなります。
ホワイト系砂利は水分が速やかに乾く日向へレイアウトする事が必要で、日陰ですと黒ずみや変色、苔の発生が起こりやすくなります。
雑草対策として使用する際は注意が必要です。
シックなカラーの割砂利
下草類の色を際立たせたい時や、砂利敷き自体を目立たせなくしたい際におすすめなのが、シックな割砂利敷きです。
砂利自体が目立たなくなりますので、周囲の資材の存在感を増す事が出来ます。
粒が大きめの為に砂利の上は歩きにくくなりますので、写真の様にアプローチ左右への補助的な雑草対策に使うのがおすすめです。
レンガチップ
砂利とは少々趣が異なりますが、レンガを砕いたリサイクル製品であるレンガチップもあります。
植栽の足下やお住まい外壁沿いへの雑草対策として敷き込めば、どこかナチュラルな雰囲気を感じさせてくれます
防草シートとの組み合わせであれば立派な雑草対策になりますので、アクセントを加えたい場合はおすすめです。
砕石
化粧砂利とは異なり石を砕いて大きさ別にふるった砕石は、比較的安価にて広範囲に使用出来ます。
ある程度の洗浄や振るいも施された不純物も少ない砕石を選べば、敷き込んだ際は写真の様に非常に綺麗な仕上がりになります。
あまり目にする事の無い裏手通路やお住まい外周への雑草対策はもちろん、綺麗な砕石であればお庭へ使っても差し支えありません。
砕石の使用は、広範囲の砂利敷きが必要でコストを抑えたい場合に有効と言えます。
バークチップ・ウッドチップ
防草シートの上にバークチップを敷き込めば、雑草対策もナチュラルに見せる事が出来ます。
ウッドチップですと「ささくれ」が発生し劣化も早く、風で飛散しやすいデメリットがある為、弊社では幹皮で作られたバークチップの方をお勧め致しております。
敷き込んだ感触はとても柔らかく、お子様の遊び場としても向いております。
また、バークチップ敷きはナチュラルな景観になります為、落ち葉の掃除もそれほど入念に行わなくても許容される雰囲気となります。
粒の大きさを選べる柔軟性
弊社にてバークチップを敷き詰める際は、場所に応じて粒の大きさを選択する事が出来ます。
大きさは手のひら程の大粒から小粒砂利の様に細かな物まで、5種類よりお選びいただけます。
バークチップ敷きで行いたい対策
バークチップは歩いた際に動きやすく、下地シートの継ぎ目へ入り込んでしまう事があります。
底に敷く防草シートの継ぎ目は強化テープを貼っておき、シートの隙間へのチップ侵入を防ぐ事が必要となります。
雑草対策としての芝生
雑草対策のご相談時に、芝生での雑草抑制にご要望を戴く事がありますが、芝生で雑草を防げる様にするには、芝生そのものを非常に良好な状態まで生育させ、それを維持し続ける必要があります。
雑草を単純に抑制できる材料としては当てはまりませんので、注意が必要です。
除草作業以上のメンテナンスが必要
芝生を良好な状態にするには、除草作業を遥かに上回るメンテナンスが必要となります。
環境(陽当たり・風通し)が最適な場所が条件となるうえ、伸びない様に頻繁な芝刈り、肥料、散水、土の漉き込みなど、年間を通して様々なメンテナンスが必要です。
この管理作業がお好きな方が芝生を綺麗に維持し、その結果雑草が抑制されるというニュアンスが正しいかと思います。
人工芝で雑草を防ぐ
メンテナンスのいらない芝生景観を作る為に開発された人工芝は、雑草対策の材料としても有効です。
近年の人工芝は見た目もリアルに出来ており、耐候性も優れた作りである事から、雑草を抑制する程の丈夫さを兼ね備えています。
人工芝の施工には下地として防草シートを敷く事が必須であり、多くの場合砕石を転圧した強化地盤を作ってから人工芝を敷く事になります。
この為人工芝の庭作りは雑草対策そのものを目的としたケースが多く、その効果の高さが伺えます。
陽当たりが少なく芝生が育たない場所への景観補助、メンテナンスが必要ない芝生として開発された人工芝ですが、雑草抑止効果とおしゃれな雰囲気を持ち合わせており、ある程度の空間があれば敷設可能な対策素材です。
人工芝に必須な地盤強化
人工芝は敷く前に地面を削って土を搬出し、代わりに砕石や砂を入れて固く転圧するという地盤強化工事が必要です。
人が乗らない様な景観用の人工芝であればここまでの工事をする必要はありませんが、雑草対策と実用を兼ね備える場合は後々人工芝に凹凸が発生するのを抑止する地盤強化が必要となります。
地盤強化にはコストが掛かりますが、土面を削り取る工程が雑草の根を撤去する事にも繋がる為、やはり雑草対策として人工芝を選ぶのは良策であると言えるでしょう。
強化地盤を作るのが難しいマンション専用庭の場合でも、砕石や砂等を手作業で突き固める事によってある程度の丈夫な地盤を作る事は出来ます。
人工芝は綺麗に刈り揃えられた見た目をしておりますので、でこぼことした地面にそのまま敷くと景観が非常に悪くなる他、後々に凹凸が生じて目立ってきてしまう事に注意が必要です。
固まる土(透水性舗装材)
固まる土、という呼び名でも知られる簡易性舗装材は、水捌けも良く雑草の抑制には一定の効果を発揮します。
粉状の資材を敷き均してから水分で硬化させる為、防草シートが施工しにくい入り組んだ場所や複雑な箇所への施工に適しています。
経年劣化を想定して施工
この舗装材は施工直後は美しい景観を見せてくれますが、経年による黒ずみやひび割れが起こり得ます。
経年によって黒ずんだりした舗装材は和風の庭との相性が良く、いわゆる「たたき土間」で仕上げられた様な上質な雰囲気になっていきます。
雑草対策として施工する際は劣化後の景観を想定し、その際にどう美しく見せられるかという事を考えておくと良いでしょう。
狭い場所で効果を発揮する雑草抑制効果
防草シートが施工しにくいこの様な場所も、固まる土なら確実な雑草対策となります。
固まる土であれば、防草シートと異なり既存物との隙間が出来にくく、隙間からの雑草発生がかなり抑制されます。
防草シートの効果が無い数センチの溝や、駐車場の伸縮目地への施工も効果的と言えます。
グランドカバーの植栽で雑草を防ぐ
雑草を抑制する為に、植栽で地面を覆う方法もあります。
一般的にグランドカバーという扱いになる植栽ですが、中でも雑草抑止効果が高いのは、コニファー類やツル性植物が挙げられます。
地面を隙間なく覆わせる事で日光を遮断し、雑草の種が落ちる事も防ぐ事から、雑草対策の一つとして活用したい方法です。
低木コニファー
コニファー類は乾燥に強い種類が多く、つい散水を怠りがちな場所でも剛健に育ちます。
この特性は雑草対策として優れている要因でもあり、道路側の目立つ箇所へも効果を発揮します。
寄せ植えを施したコニファーにおいては最長で1年に1度の刈り込み剪定で維持が出来る為、彩り豊かな雑草対策としておすすめ出来ます。
ツル性植物を放任させて地面を覆う
アイビーに代表されるツル植物は生育力もあり剛健な為、放任すればすぐに地面全体を覆う様になります。
そうなりますと地表面に光が届かなくなって雑草の生育が抑えられますが、他の植物も容赦なく覆ってしまうので混ぜ植えには向きません。
その他雑草を抑制するツル植物には、ツルニチニチソウやカヅラ類、ワイヤープランツ等が挙げられます。
コンクリートによる土間打ち
土面へ遮光を施すのとは異なり、土面そのものをコンクリートに変えてしまう対策方法もあります。
これはお住まい裏や通路へ行うのが一般的であり、これを行うには既存の土を削り取ってからコンクリートを敷き詰める事になります。
この土面の鋤取りとコンクリート搬入が費用の大半を占め、手軽な工事とはいかない規模となります。
しかし雑草抑制としては最も強い効果を得られますので、必要な際は候補に挙げたい方法と言えます。
コンクリートはすぐさま水分が染み込む事はありませんので、水が一方向に流れていく「水勾配」という傾斜を付ける事が必須で、端部のみ水逃げの空間を作っておく事が大切です。
平板や敷石等のペイピング材
敷石や平板は、ご存知の通り石やコンクリートで作られた板状の素材であり、これらを地面に敷き詰めればまず雑草が生えてくることはありません。
ただし、板材同士の隙間となる「目地」部分については、モルタルや舗装材などで固めておく事が必要です。
庭づくりと並行して行える為、おしゃれに美しく見せる雑草対策と言えます。
御影敷石
御影敷石には主に「白」「錆」「黒」「桜」と呼ばれ4色の物が流通しており、和庭では白と錆が多く使われます。
園路やテラス等に幅広く対応でき、複数枚を敷き込めば上品な雑草対策となります。
洋風平板
洋風平板はコンクリートで作られた石調仕上げのペイピング材で、大判な物から小さな物までラインナップが多いのが特徴です。
下地を強固に作って敷き込めば、広範囲の雑草を抑制する事が出来ます。
コンクリート枕木
雑草対策としてテラスを作る事はございますが、こちらのコンクリート枕木は園路・アプローチを作る事に向いています。
下地にもコンクリートを使用して据え付ける為、ナチュラルな見た目ながらも頑丈な仕上がりとなり、雑草の発生を阻止します。
ですがコンクリート枕木は資材同士の隙間を目地で固める事が少ない為、稀にこの間から発芽による雑草が顔を出す事があります。
芝生の庭等では隙間に芝生が入り込まない様に、目立たない目地処置をする様にしております。
雑草対策施工のご依頼は随時承っております
雑草対策をおしゃれに行う方法と材料についてご紹介をさせていただきましたが、如何でしたでしょうか。
雑草対策のご依頼はお住まい外周通路から駐車場を始め、庭づくりと合わせるケースまで様々に戴いておりますので、ご依頼を検討されるお客様は、弊社による雑草対策の施工事例一覧もご参考いただければと思います。
ご依頼につきましてはお問い合わせ方法をご参考の上、お声掛けを戴ければと思います。
執筆者:新美雅之(新美園HP作成・作庭者)
庭木や庭デザインについて、作庭者の経験を活かして現実的に解説をするコンテンツを目指し、日々執筆しています。