庭のデザインと施工を行っております、新美園:新美雅之です。
こちらページでは、庭木の中で「単幹(たんかん)」と呼ばれる樹形について解説をしていきたいと思います。
このページでは「単幹樹形」がもたらすメリットや植栽実例、代表的な樹種も紹介してまいります。
目次
単幹樹形とは?
庭木の樹形は「株立ち」と「単幹」に大きく二分されます。
「株立ち(かぶだち)」は複数本の幹で構成される樹形である事に対し、「単幹(たんかん)」は一本幹で作られる樹形を指します。
また、数え方の単位も株立ちであれば「〇〇株」、単幹の場合は「〇〇本」という様に異なります。
近年は株立ち樹形に大きく人気が集中していますが、これは1株の木を植えただけでボリューム感を出せる、ナチュラルに見せられる、という事が理由です。
しかし樹木本来の姿としては単幹樹形の方が自然であり、一昔前の造園では単幹樹形の庭木が多く植栽されていました。
単幹樹形こそ自然な樹形であるという認識は作庭家の方々であれば周知の事であり、自然風景を再現する庭づくりでも単幹樹形の木は多用されます。
同じ一本幹の樹形でも作庭テーマによって使い分けをされますので、こちらの所も解説していきます。
テーマによって分けられる単幹樹形
単幹(一本幹)の樹形の中でも異なる雰囲気の木があり、それぞれ庭づくりのテーマや雰囲気に合わせて植栽されます。
同じ単幹樹形において、どの様な形に分けられるのでしょうか。
端正な姿・シンボルとしての単幹樹形
まさしく真っ直ぐに伸びた一本幹を持ち、左右がほぼ均等に育てられた単幹樹形は、シンボルツリーやフォーカルポイントへの植栽に向いています。
多くはソヨゴやホンコンエンシス等の常緑樹に見られますが、ハナミズキやヒメシャラ等の落葉樹にもこの樹形があります。
植栽の意図としては1本の木を「飾る」「主張させる」といった扱いをする事に向いており、存在感を示すにはぴったりの木と言えるでしょう。
自然な曲がりを楽しむ単幹樹形
均等に整った印象とは異なり、自然に曲がって育った一本幹を楽しむ単幹樹形です。
木の曲がりに方向性を持っている事が多く、これを調整して植栽する事で自生する樹木の様に見せる事も可能です。
写真の様に和庭で燈篭に枝葉を被せたり、アプローチへ庭木が傾ぐ様に育った雰囲気を作ったり、独自の樹形を活かして動きや意図を感じさせる植栽に向いています。
和風の庭やナチュラルガーデンで多く採用され、樹種としてはイロハモミジやコナラが代表的です。
自生地を再現する、寄せ植え向きの単幹樹形
先にも触れましたが、樹木のほとんどは単幹樹形で育っているものであり、それらが群生している事で「木々の風景」が形作られます。
この風景を手軽に再現できるのが複数本の幹を持つ株立ち樹形ですが、自生地そのままの風景を再現する場合は異なる手法が用いられます。
山に自生している様な幹の細い単幹の木を寄せ植えすれば、まさしく自生地を思わせる風景を作り出せます。
原則として同じ樹種を寄せて植えますが、高低差を付けて他種の木も植栽する事があります。
特徴として寄せ植えした際に違和感が無い、下半分に枝の無い木がこれに該当します。
実際に山で採られて商品化された植木に多く、アオダモやコハウチワカエデによく見られます。
単幹(一本幹)樹形の庭木がもたらすメリット
ここまで解説してきた単幹樹形の庭木ですが、植栽する事で独自のメリットをもたらしてくれます。
単幹樹形ならではの利点とはどの様な事が挙げられるのでしょうか。
木が剛健
基本的に単幹樹形の庭木は株立ちよりも剛健である事が多いです。
根鉢から吸い上げる水分や養分が一本の幹に集中していく事になる為、丈夫に育っていくケースが多く見られます。
その代わり成長力自体も強く、伸びが速いという点も挙げられますが、これはデメリットとは限りません。
単幹樹形は成長によって自然な形に育てる事が可能ですが、株立ち樹形の場合は植えた時の姿を如何に維持するか、という事も考える必要があります。
ゆくゆく大きく育ってほしい、単幹樹形ならそんな放任生育にも向いていますので、これがナチュラルガーデンに向いている理由でもあります。
低木やデザイン要素を合わせやすい
株立ちの庭木ですと足下から幹がたくさん生えている為、いわゆる「空間」が無くなります。
しかし単幹樹形の庭木であれば幹の周りに空間が生じ、ここへ低木の植栽や自然石のレイアウトを行う事が可能で、足元へおしゃれなデザインを施せるのです。
言い方を変えればデザインを施さないと寂しくなってしまう、という見方も出来ますが、せっかくの植栽ですから庭木の足下で様々なデザイン性を楽しんでいただきたいものです。
狭小部にも向き、地面への風通しも良い
特に狭小な場所へ植栽を施す場合は単幹樹形はおすすめとなります。
株立ちの様に幹が複数本生えていると外壁や設備に干渉しやすく、常に枝葉の伸びを意識する様になってしまいます。
しかし単幹樹形であれば幹から周囲への距離が生じ、ある程度の自然な伸びを許容する事が出来ます。
写真の様に単幹樹形は地面への風通しを妨げないというメリットがあり、下草類の健全な生育はもちろん、生活環境も良好に保ちます。
陽射しを妨げにくい
日陰の庭・シェードガーデンにおいても、単幹樹形はメリットをもたらします。
陽射しが常に少ない場所の場合、株立ちの木を多用すると地面への採光がさらに少なくなってしまうものです。
日陰向きの低木や植物とはいえ、ある程度の「明るさ」が必要です。
写真の様に単幹樹形の庭木であれば、空間と明るさの確保が可能になります。
単幹の庭木と下草の組み合わせは、特に北側や東側でおすすめな構成であり、少ない日差しを妨げない工夫とも言えます。
列植や生垣に向く
ご存知ではあるかと思いますが、生垣を作る際はほとんどの場合に単幹樹形が使われます。
単幹の庭木は写真の様に間隔を空けた列植でも美しく、整然とした印象をもたらしてくれます。
西洋の庭園ではこの植栽手法が昔から好まれており、日本でも洋風植栽ブームの際にコニファーの列植が多く見られたものです。
株立ちがナチュラル感であれば、単幹はリズム感を楽しむ事ができ、目隠し効果を兼ねた植栽にも向いています。
単幹樹形の魅力活かした植栽実例
単幹樹形が持つ独特な魅力は多くあり、それらを活かした植栽をする事で、景観面・実用面の両方を兼ね備えた庭木となってくれます。
ここではそんな単幹樹形の魅力を活かした植栽実例を少しご紹介します。
単幹と株立ちの組み合わせを楽しむ
株立ちのアオダモをシンボルツリーとし、背後のスクリーンに単幹樹形のソヨゴを植栽しており、樹形の組み合わせを行っています。
この2つの庭木は樹形の違いの他、落葉樹と常緑樹という違いも含んでおり、全く異なる容姿が味わい深く融合しています。
異なる樹形はお互いを引き立て合い、小さな場所でも奥の深い景観を生み出しますので、本数を多く植えられないシチュエーションでおすすめな組み合わせと言えるでしょう。
狭小部へ美しい緑を充実させる
単幹樹形の庭木はある程度樹高があってもスリムに仕立てやすく、成長の緩やかな樹種であればそのサイズを維持する事も可能になります。
写真は日陰の狭小スペースですが、ソヨゴの単幹樹形をすっぽりと収め、向こう側の目隠しも兼ねて緑を充実させています。
ここの株立ちの庭木を植栽してしまうとすぐに外壁へ枝葉が触れてしまい、傷が付いてしまう事もあります。
この点、単幹樹形の庭木は左右の枝葉を整える剪定も行いやすく、その手数も少なく済みます。
もともと自生していたかの様な単幹モミジ
この中庭で自生していたかの様なイロハモミジは、自然な曲がりを持った単幹樹形を選んでいます。
壁際から実生で育ち、段々と壁から離れる様に幹を伸ばした姿をイメージしており、自然風景の一部として植栽されています。
単幹イロハモミジの周囲はあらゆる低木類を組み合わせ、山間の植物繁茂の雰囲気も取り入れています。
単幹の庭木周囲は植栽自由度も高くなりますので、多くの木々に囲まれる景観作りには欠かす事が出来ません。
幹の側を歩く、ナチュラルアプローチガーデンに
落葉樹の単幹樹形は下半分にほとんど枝葉が無い事も多く、これにより周囲へ枝葉が干渉する事がありません。
樹高を伸ばす程に下の枝葉は自然に枯れていく、この自然の摂理に適った樹形とも言えます。
これにより単幹の落葉樹であれば木のすぐ傍を歩く事ができ、これは奥行きの短い細長い庭づくりにおいて活用できます。
株立ちの庭木と異なり、木のすぐ傍にアプローチを作る事も可能で、庭づくりのデザイン幅が大きく広がります。
庭木を身近に感じる庭が欲しい、そんな願いに応えてくれるのが単幹樹形と言えるのではないでしょうか。
木の足下を低木で埋める植栽デザインも
こちらの和庭では単幹のイロハモミジの足下へ、低木であるサツキの寄せ植えを作っています。
和庭の名物とも言えるサツキ・ツツジの寄せ植えですが、これは株立ちの庭木の足下には向きません。
すっきりとした一本幹である単幹樹形であれば、地表近くを低木刈り込みで覆う事も可能であり、実に立体感のある風景を楽しむ事が出来ます。
単幹樹形と低木の組み合わせは高低差やカーブを付けたデザインに直結し、これは和モダンな庭にも通じます。
低木の刈り込み仕立ては地表の乾燥を遅らせるというメリットも持っており、庭木の生育面にも貢献してくれます。
単幹樹形の木を大型円形プランターに
単幹樹形の木は1本を単独で飾り付ける事に向いており、これは丸形のプランター植えにも良くマッチします。
土が無い場所でも庭木を楽しめるプランターですが、思い切った大型サイズであればシンボルツリーとして木を飾り付ける事も可能です。
特に単幹樹形の庭木は写真の様にプランターとのマッチングも良く、写真のヒメシャリンバイに限らず、オリーブの単幹樹形等もプランター植えとして好まれます。
常緑樹の単幹樹形代表種
常緑樹の単幹樹形は上から下まで枝葉が付いて整った庭木である事が多く、主にシンボルツリーや目隠し、フォーカルポイントへ植栽されます。
単体で存在感のある庭木が多い事から、庭木を飾る、いわゆるオーナメントの様な植栽に向いています。
ソヨゴ
一本幹で樹形が整ったソヨゴをシンボルツリーとして玄関前に植栽した実例です。
株立ち樹形のソヨゴですと樹高に比例して幅も広くなってしまいますので、樹高は欲しいけども幅は抑えたい、というシチュエーションに単幹樹形は向いています。
実際にソヨゴは単幹樹形の方が剛健である事が多く、部分枯れや病虫害も少ないという面も経験則から感じております。
何よりもこの様な存在感を持ちながら剪定維持が容易という面が最大のメリットと言える庭木です。
関連記事>>>ソヨゴの特徴と赤い実の魅力-成長の緩やかなシンボルツリーや目隠しとして
フェイジョア
洋風の常緑果樹として親しまれているフェイジョアは、流通する庭木のほとんどがこの様な単幹樹形となります。
一本幹である事は共通しながらも枝葉の数によって印象が異なる庭木ですが、この枝葉の数は剪定によって容易にコントロールをする事ができ、少々透けた印象からどっしりとした目隠し、オーナメント的な植栽に至るまで、フェイショアは幅広い仕立てを行う事が出来る庭木です。
この様に存在感のあるフェイジョアですが、樹高は2m以下という低さでも維持していく事が可能であり、南国調の花も楽しめる優れた庭木です。
関連記事>>>花や果実を楽しめるフェイジョアの魅力-シンボルツリーや目隠しの植栽実例も
オガタマ
単幹樹形と言いましても全てがどっしりとした存在感を持つ訳ではなく、オガタマの様にナチュラルな印象を感じさせる庭木もあります。
飾り気のない庭木ではありますが半日陰でも美しく育つ常緑樹であり、香りの良い花も咲かせます。
株立ちでは少々重く感じてしまう様な場所であれば、この様なスッキリとした単幹の庭木がおすすめであり、株立ち樹形でなくてもナチュラル感を出せる事がお解りいただけるかと思います。
オガタマは害虫の被害も少なく、春にはバナナの様な芳香が素晴らしい花を咲かせます。
ヒメシャリンバイ
ヒメシャリンバイもソヨゴと同じく生育の緩やかな樹種にあたり、尚且つ葉が小さく密度も高いのが特徴です。
他の常緑樹よりも目隠し効果も高い上に存在感もあり、春には小花が集合して咲く姿を楽しめます。
葉は新芽からしばらくの間赤味を帯びている為、緑葉との色の違いも美しく感じられます。
害虫の被害に遭いにくい、塩害・公害に強いという剛健さも併せ持っており、頼れる常緑樹として活躍します。
ヒメシャリンバイはシンボルツリーとしてはもちろん、樹姿を吟味すれば生垣を作る事も出来ます。
関連記事>>>ヒメシャリンバイはどんな庭木?花も楽しめる生垣や低木シンボルツリーとして
ギンバイカ
ギンバイカは単幹樹形が多い常緑低木ですが、枝葉が多いので幹の姿はあまり見えません。
植栽当初は整って見える樹形ですが、旺盛な成長力によってボリュームが出てきますので、植栽場所には注意が必要です。
梅に似た白い小花と葉の香りが楽しめるハーブの仲間であり、オリーブと同じく洋風の雰囲気を感じさせます。
関連記事>>>ギンバイカ(マートル)の花や芳香の魅力-シンボルツリーや目隠しとしての植栽実例も
マサキ
生垣用の庭木として知られるマサキですが、1本植えで育てられた姿も美しく、場合によってはシンボルツリーやピンポイントの目隠しとして植栽されます。
特に写真のキンマサキと呼ばれる斑入り品種は美しく、ある程度の日陰でも育つ強さを持っています。
横方向よりも真上に向かって伸びる力が強いのですが、幅を制約される場所ではこの特性をメリットとして活かせます。
幅が広くなるのに時間が掛かる為、意外と植える場所を選ばない便利な単幹常緑樹と言えるでしょう。
関連記事>>>生垣におすすめなマサキを解説-日陰でも育つカラーリーフの種類もご紹介
落葉樹の単幹樹形代表種
落葉樹と言えば先にご紹介の株立ち樹形が主流と思いがちですが、自然に目を向けると多くの単幹落葉樹が生育している事が解ります。
落葉樹の単幹樹形は自然に習った姿そのままであり、お庭デザインの中へ溶け込ませる技術を要しますが、最もナチュラル感を得られる樹形と言えるのではないでしょうか。
イロハモミジ
単幹樹形のイロハモミジは自ら曲がりを持つ事がほとんどであり、逆に垂直に立ち上がる木はほとんど見掛けません。
この曲がりを活かしつつ、さらに植え付け時の向きや角度に工夫をする事で、より魅力ある樹形に見せる事が出来ます。
しかし単幹のイロハモミジは上部の成長が強い傾向がありますので、植栽計画時は「上へ伸ばしても良い」というご認識をお持ちになる必要があります。
単幹のイロハモミジは小さく低く留めておく事には向かない庭木ですので、ご参考下さい。
関連記事>>>イロハモミジの特徴と魅力-樹形や成長傾向の解説、自然なシンボルツリーとしての実例もご紹介
ハナミズキ
昔から花木として親しまれているハナミズキは、流通する木のほぼ全てがこの様な単幹樹形であり、落葉樹としては珍しく端正な樹形を保つ事が出来る庭木です。
落葉樹の花木でありながらスリムな樹形を保持できる事は稀な存在であり、植栽場所もそれほど選ばずにお庭へ取り入れやすい庭木と言えます。
花色は紅・ピンク・白と様々な品種がありますが、花の色に合わせて葉の色も異なるのも面白い所です。
特に紅花種のハナミズキは成長も緩やかで紅葉も美しいという特徴があり、日照りが強すぎない環境であればおすすめ出来ます。
白花種のハナミズキは成長力もあり葉も青々としており、生育面で丈夫である印象があります。
関連記事>>>花木として名高いハナミズキの魅力と特徴-スリム樹形を活かした植栽で、美しい花と紅葉を楽しもう
ヒメシャラ
シャラノキやヒメシャラは株立ち樹形を連想される事が多いのですが、この2つの樹種には短観樹形の植木もあります。
実は自生地を見るとヒメシャラも美しい単幹が太くなっている樹形をしており、本来はこの姿であるものです。
単幹のヒメシャラは剛健さに欠ける株立ちよりも丈夫に育つ事が多く、自然に成長した姿も違和感なく柔らかい樹形のままでいてくれます。
どうしても株立ち樹形は枝同士の絡みや重なりによって部分枯れが生じますが、単幹樹形ですと枝それぞれが絡まずに健全な生育を見せます。
部分枯れは雑菌の侵入の原因にもなりますので、この点、単幹樹形のヒメシャラが育ちやすい一因とも言えるのではないでしょうか。
関連記事>>>ヒメシャラの特徴と美しさを解説-シャラノキとの違い、自然なシンボルツリーとしての植栽実例も紹介します
円錐樹形を持つおすすめな庭木
クリスマスツリーに連想される様な円錐形の樹形は、洋風かつおしゃれな雰囲気をもたらしてくれます。
一本植えにしても列植としても美しい為、庭のデザインで多用される樹形でもあります。
細身で円錐形をしている庭木と言えば、コニファー類が思い浮かぶのではないでしょうか。
コニファーについてはお客様ご自身で量販店でお買い求めになって植樹するケースが多く、その後の急な成長や根張りの弱さが原因の傾き・倒木が起こって困ってしまう事があります。
この様な特性から私からコニファーの植栽を強くおすすめする事は少なくなりましたが、コニファーの中でも維持がしやすい樹種というのは存在します。
ゴールドライダー
コニファーは幅を抑える刈り込みをすると葉密度が落ちてしまったり、切り口からの萌芽が弱く一部が枯れてしまう事もあります。
これを避ける為にコニファーはついつい薄く遠慮気味に刈り込みを行う事が多く、これが段々と全体が膨らんでくる原因となります。
しかしゴールドライダーというコニファーは枝葉が細かく高密度であり、萌芽力も非常に強い品種です。
年に一度の刈り込みによって整形するだけで幅や高さが保たれ、葉の密度もほとんど落ちる事がありません。
また、樹高についても2m前後で仕立てる事が可能であり、これも一般的なお庭や花壇へ十分に植えられる感覚ではないでしょうか。
列植の間隔を狭く設定すれば生垣の様な雰囲気づくりも可能であり、強い目隠し効果が必要な時にはおすすめとなります。
尚、見た目が似ているコニファーとしてゴールドクレストがありますが、庭植えには向いておらず鉢植え向きの庭木となります。
スカイペンシル
スリムでユニークな樹形が楽しいこちらの庭木はスカイペンシルです。
列植された姿を遠くから見ますとコニファー類かと思われる事もありますが、スカイペンシルはツゲの仲間であり、その系統から刈り込みと萌芽力に優れた庭木と言えます。
スカイペンシルは多くの枝が一つの幹に見える株立ち樹形なのですが、遠目から見ると1本幹の様な木に見える事に見える為、扱われ方も単幹樹形の庭木と同じになります。
スカイペンシルに横向きの枝はほとんど発生せず、枝は垂直に上方向へ向かって成長します。
上への成長を優先する庭木としては他にもマサキやゲッケイジュが挙げられますが、これほどまでにスリムな状態を保ち続ける事は困難です。
スカイペンシルは乾燥にも耐えやすい剛健な面を持ち、コニファーが苦手である半日陰でも生育する事が可能な庭木です。
日向植えと比べますと葉数が減るのは否めませんが、シャープなシルエットはモダン建築と良く調和し、写真の様に連続して植栽するケースに用いられます。
まとめ
単幹樹形、いわゆる一本幹の庭木についてメリットや植栽実例、代表樹種を紹介してまいりましたが如何でしたでしょうか。
庭木の数は多く存在しますが、樹形を大きく分ければ株立ちと単幹、たった2種類に分けられます。
この樹形の違いを上手に活かして、是非庭づくりや植栽選びにお役立ていただければと思います。
植栽のご依頼は随時承っておりますので、ご希望のお客様はお問い合わせ方法をご参照の上、お声掛けをいただければと思います。
執筆者:新美雅之(新美園HP作成・作庭者)
庭木や庭デザインについて、作庭者の経験を活かして現実的に解説をするコンテンツを目指し、日々執筆しています。