渋谷区の低層マンションのバルコニーへ設置した、プランターによる生垣の施工例です。
広く開放的なバルコニーはアウトドアリビングとしても活用したいものですが、パネルフェンスとタイルだけの空間ですとどうしても無機質な場所に見えてしまいます。
バルコニーのタイルはグレーですので、パネルフェンスのカラーと相似した感覚です。
寒色よりの空間は無機質に見えやすい為、今回はこちらのバルコニーにプランターの植栽を生垣風に設置する事となりました。
プランター生垣を設置した様子です。
プランターは重量負荷を考慮して、FRP(強化プラスチック)製のものをご用意しており、土も堆肥混合土と軽量パーライトを混ぜています。
生垣として使用したのはイヌマキであり、その中でもやや細い葉を持つタイプです。
低層の建物のみの地域である為に空がとても広く、この生垣がとても美しく映えます。
バルコニーの植栽選びにおいては「強風」が一つの注意点となり、これは庭木の生育面にも大きな影響を与えます。
その点、イヌマキであれば海岸近くの強風地帯でも問題なく育つ樹種であり、排気ガスや塩害にも極めて強い特性を持っています。
ホワイトを基調としたプランターがアウトドアリビングにマッチし、緑濃いプライベート空間が出来上がりました。
イヌマキは剛健な庭木であはありますが、すぐさま枝が伸びすぎて困ってしまう様な木ではありません。
通常の生垣と同様に、一年に1~2度程度の刈り込み剪定を行っておけば、写真の状態よりも枝葉密度が増し、さらに美しい緑の壁へ育っていきます。
イヌマキの生垣であれば毛虫の発生も心配なく、これもバルコニー向けの庭木である理由です。
しかしコガネムシの飛来によってかなりの葉が食害される事もある他、新芽に寄生するアブラムシの警戒だけはしておく必要があります。
別のバルコニーへは丸形FRP製プランターを2台設置し、こちらにはシマトネリコをそれぞれ植栽しています。
バルコニーとして使う事がほとんどない場所ですので、プランターの設置についてはお部屋からの眺めを最優先して位置決めを行っています。
シマトネリコの本来の魅力は株立ち樹形である事ですが、これは樹高の割に横幅が自然に出てくる、といった恩恵を受けられます。
通常であれば庭木の横幅が出てきてしまうのは避けられがちですが、この様に街並みを自然に目隠ししたい場合やお部屋から充実した緑の壁を眺めたい場合には、シマトネリコ特有の横幅が広がる成長は理想的と言えるでしょう。
庭木が主役である事はもちろんですが、この様にインテリアと同化させるようなプランター選びもお勧めです。
白いプランターは水垢によって黒く汚れてしまいますが、完全に軒下である場合はこれが起こり難く、無用にプランターを濡らしたりしなければ美しい状態を保てます。
このプランター植栽はまるで観葉植物の鉢の様に見える為、リビングが外まで広がったかの様な視覚効果が得られています。
ここからの眺めが建造物だけの状態とは雲泥の差であり、目隠しの庭木というよりは、潤いを感じさせる庭木と言えるでしょう。