今回雑草対策のご依頼を戴きましたA様邸のお庭は南側に位置するものの、隣家が近い為に陽当たりはやや弱い環境でした。
陽当たりが少ないお庭にも関わらず芝生を張ってしまっている状況であり、芝生の生育も良くない状況でした。
芝生は日光の少ない場所ですと確実に年々傷みが進行し、やがて必ず雑草との逆転が起こります。
そうなりますと芝生も景観を乱す雑草の一部となり、最も駆除が難しい存在となってしまいます。
そこで今回はこの芝生を根ごと撤去処分し、防草シートと砂利敷きによる雑草対策を行いました。
まず芝生の撤去においては「根ごと」確実に除去する必要があります。
僅かな地下茎が残っているとそこから生育をしてしまう為、根と土が絡まった部分をそのまま搬出処分していきます。
剥がしていく作業も整理しながら行いませんと、確実な除去作業が出来ません。
写真の様に芝生にスコップで切れ目を入れ、残さず綺麗に剥がすという作業を繰り返し、これを全面に行います。
芝生を剥がすのは四角いスコップ、いわゆる角スコが最も確実で、周囲に土をまき散らすことなく無駄なく確実に芝生の撤去が行えます。
芝生の撤去をしながら、綺麗に平らに整えられた地面。
地面に凹凸が残っていますと防草シートの馴染みも悪く、砂利も均等な厚みで敷く事が出来ません。
仕上がりの美しさを左右する肝心な部分である為、この下処理は特に入念に行い、同時に小石なども除去しておきます。
小さな芝生の地下茎も残しがちですので、ホウキで掃除しながらチェックしていきます。
和風の化粧砂利として「サビ砂利」を全面に敷き詰め、雑草対策を終えたお庭です。
右側に組んである庭石は敷地内にあったものを組み直しており、和庭らしい砂利止めとして再利用しました。
何気ない庭石組みですが、砂利を敷き込むと細かい曲線ラインが美しく浮かび上がり、単なる雑草対策とは異なる和の風情を味わう事が出来ます。
日陰で少し暗かったお庭ですが、錆砂利の色合いなら上品な明るさを取り入れる事ができ、快適なお庭へと生まれ変わります。
既存の置型燈篭も景観を考慮した移設を行っており、敷き詰めた錆砂利とのマッチングも美しくなりました。
庭石が多く放置されたお庭はよくありますが、きちんとした組み直しを行えばこの様に和の風情を取り入れる事が出来ます。
しっとりとした雰囲気で雑草に悩まされない庭、この様な施工をご希望されるお客様は、是非お声掛けをいただければと思います。