建築家によるモダンデザインが施されたN様邸は、浴室に開放的な窓が設けられておりました。
光を存分に取り入れる為の窓ですが、同時にしっかりとした目隠し対策も課題となります。
今回は浴室の目隠しをする樹脂フェンスに植栽の緑を合わせた、お風呂から眺める癒しの空間を施工させていただきました。
浴室へ入ると、この様な風景が目に入ります。
目隠しとして設置した樹脂フェンスは窓の高さよりも30cm高く、隣家2階からも見えない完全な目隠しとなっています。
この為昼間のご入浴であればブラインドも必要なく、この景色を楽しむ事が出来ます。
もちろん外も日陰の位置ではありますが、日光が樹脂フェンスに反射して明るさが増幅され、ソヨゴの葉がちらほらと輝く様に感じられます。
背景と少しの緑があるだけで、まるで坪庭を鑑賞している様な気分にもなります。
浴槽に浸かれば優しい景色を身近に感じられます。
樹脂フェンスは高さ1.8mの製品を高めに設置して、実質高を約2.2mに設計しています。
和風デザインが施されたフェンスですが、カラーバリエーションが多いのでこの様なモダンな印象に見せる事も出来ます。
幅1.8mのフェンスを中柱で2枚繋ぎ、フェンスの総距離は4m弱を確保、これにより斜め方向からの目隠しも万全となっています。
ソヨゴは日陰地でも葉を美しく茂らせ、なおかつ成長も緩やかなので窓前への植栽にも向いています。
あえて枝葉の少ない自然な樹形を選んでおり、フェンスが透ける様な清々しい景色を作ってみました。
浴室の目隠しとして設置した樹脂フェンスの様子です。
窓からの距離はかなり近く、上部には廂も付いている為、現状合わせに少々難儀しましたがしっかりと取り付ける事が出来ました。
完全な目隠しフェンスは強風をまともに受け止めやすいので、しっかりとした頑丈な設置が求められます。
今回は柱の基礎コンクリートに加えて、柱を既存ブロックを厚いプレート金具によって固定しています。
製品構造上、風による表面の揺れはありますが、構造そのものが傾く様な事はありません。
また、樹脂フェンスは熱に弱い性質がありますので、写真にある様な給湯器からの熱が直接当たるのは避けましょう。
この後、給湯器からの排熱を下側に向ける部品を装着しており、似た様な場所への設置の際はご注意ください。
浴室から葉を眺める為のソヨゴを植栽した様子です。
ソヨゴは狭小日陰でもある程度の葉を美しく保ち、むしろ葉色は艶やかに増す傾向があります。
これはアオキやツバキ等とも共通しますが、ソヨゴは毛虫の類が少なく、成長も緩やかで枝葉が少ないというメリットがあります。
この様な場所でも軽い剪定や病気予防の殺菌剤散布のみで維持する事が可能であり、近代の住宅事情に最も対応できる樹種ではないかと思います。