J様邸には玄関へ向かう会談があり、今回はその左右、見上げる様な場所へ植栽をさせていただきました。
植栽した箇所は庭木の為に作られていた場所ではなく、土面を利用して庭木を植えた形となります。
左右に良質な庭木をレイアウトする事で、完成度の高い景観を作る事を心掛けました。
階段を上がっていくと左右に見えるオリーブとギンバイカ。2本の庭木がアプローチを挟み、緑の中を歩く感覚が心地良く感じられます。
樹種は違いますが2本共に地中海沿岸部を故郷とする樹種であり、シャープで尖った葉の特徴が似ています。
葉の色は違えど不思議と雰囲気は似ており、爽やかな風を感じさせる様な景観となりました。
オリーブを植栽したのはお住まい角にあたる部分で、幸い配管類も埋設されておらず土質も良好で、庭木の植栽に適しておりました。
このオリーブはシンボルツリーとしての位置づけとなりますが、特にオリーブは歩く場所へ植えると成長によって通路が狭くなってしまうケースが多いものです。
しかし今回は歩く場所よりも高い位置にオリーブが植わっており、枝が美しく横へ広がったとしてもその下をくぐる様に歩く事が出来ます。
オリーブは枝を詰めずに優雅に伸ばした姿が特に美しい為、このまま広がる様に成長させる計画でおります。
そして程度オリーブの枝が広がった時に、日差しを通す様に枝透かしを行う事が必要となります。
オリーブがシンボルツリーであれば、こちらのギンバイカはサブツリーといった位置付けになります。
濃い緑色とシャープな葉が特徴的な庭木ですが、何といっても銀梅花と称されるウメの様な美しい白花が全体に咲く姿が魅力的です。
ハーブの仲間であるギンバイカは葉の香りも良く、枝葉が広がった姿はとても美しく見える事でしょう。
オリーブと同じくギンバイカも枝が走る成長力を持っている為、歩行場所の近くに植える場合は注意が必要です。
ギンバイカを植えた場所はプランターの様に土が囲まれているスペースで、この場所に収まる根サイズのギンバイカをお探し致しました。
ギンバイカは湿潤した環境を嫌い、やや乾燥気味で風通しの良い場所を好みます。
一見すると環境が良くない様にも見えますが、ギンバイカにとっては必ずしも悪い場所ではありません。
この高い場所から優雅に枝を伸ばし、万遍なく日差しを受けて育っていく事でしょう。
あまり目にする事のないこちらの庭木は「アデク(シジギウム)」という木で、ギンバイカにも似た雰囲気を持っています。
葉は小さく密生していますが丸みを帯びており、萌芽力も強い暖地植物です。
分布は九州から沖縄の地域であり、放任樹高は10mとも言われていますが決して扱いにくい庭木ではありません。
目隠しからシンボルツリーまで幅広く扱う事ができ、この様な風の強い環境下でも健康に美しく育ちます。
今回植えておりますオリーブとギンバイカに共通する雰囲気も持ちますので、今回はこのアデクも植栽に取り入れてみました。
玄関の横には強化セメント製の頑丈な大型プランターを設置致しました。
いわゆる業務用プランターですので耐久性が高く、クオリティの高いデザインが施されています。
木製のプランターは多く存在しますが耐久性に乏しい為、今回はコンクリート製ながらも木の風合いを表現した製品をご提案致しました。
1m以上の長さを持つ大型プランターであれば、草花だけではなくハーブ類も楽しめます。
地面から40cm以上の高さを持つプランターは植物への陽当たりや風通しも良くなり、生育面でのメリットも多く得られます。