今回は文京区I様邸での、シンボルツリー植栽に合わせた庭石組み花壇作りの様子をご紹介致します。

I様邸の道路境界には、花壇として使用する為の土空間が設けられておりました。


既にお客様ご自身にて植物を植えられておりましたが、長方形かつ面積が広い為、植物を植えるにもレイアウトに困る花壇となっておりました。そもそも花壇の中央付近に何かを植えようと致しますと、中まで土の上を歩いていかなくてはなりません。そう致しますと靴底の汚れを周囲に引っ張ってしまう事となり、玄関周りにも土汚れが付いてしまいます。
何よりも広すぎる花壇におきましては全域を植物で覆うのは難しく、植え替え維持の費用もかさんでしまいます。また、植物以外のマテリアルがございませんので草花もなかなか映えないのが実情です。
そこで今回はこちらの長方スペースの中へシンボルツリーを植栽し、使い勝手の良い花壇を庭石によって形成する事となりました。

不要の植物や庭木を撤去し、必要なアジサイを移植。シンボルツリーのソヨゴを植栽します。


今回はシンボルツリーとしてソヨゴを1株植栽致しました。花壇作りと言いましてもお庭づくりである事に変わりはございません為、何より先にまず植栽の位置を優先して決定致します。シンボルツリーの位置に合わせて庭石組み花壇を施工する様なイメージとなります。 元々ございましたアジサイは、新たな花壇の中で育てられる位置へ移植致しました。

お住まい側の軒下に境界を作り、雑草対策を。サイクルスペースとして活用出来る空間となります。


樹脂製のエッジ材を地中に半分ほど埋め込む形にて、花壇の境界を設置します。このエッジ材は強化樹脂製となっており、プラスチックの様にすぐに紫外線で劣化する事はございません。この様に緩やかなラインを付けて境界を設置する事が出来ます。
出来上がりました部分がサイクルスペースとなりますので、先立ちまして防草シートにて処置をしておきます。

 
雑草対策が整った空間へグレー系の割石砂利を敷き込んでいきます。駐輪スペースとして使う場合は小粒の砂利や簡易舗装が望ましくはございますが、今回は景観を優先させ、シックな砂利を敷きこむことと致しました。

花壇を形成するみかも石の石組みを進めていきます。


既存縁石に付かず離れずの距離感で庭石組みを行っていきます。通常の石組みでございますと、立ち石や伏せ石を組み合わせていくものなのですが、花壇という特性上土を盛る必要がございます為、やや高さの出る石を選んで組み進めていきます。


点検マスに接触する部分はマスと同じ曲線を合わせる様に組み付けます。些細な部分こそ完成度に影響します為、丁寧な組み付けを行います。

組み付けた庭石を固定するコンクリートを流します。


縁石と庭石ラインが入り組むこちらの雑草対策は防草シートよりもコンクリートを細かな部分まで流した方が効果が大きい為、この様に固めていきます。同時に庭石も強固に固定され、人が乗った程度であれば動く事のない頑丈な花壇になります。


通常の石組み部分はこちらの様にコンクリート固定を施しております。全ての庭石が地中で一体化し、頑丈な仕上がりとなります。

みかも石と道路縁石との間は錆砂利敷きの仕上げと致します。


雑草対策処置として防草シートを敷き込んだ様子です。こちらはメーター検針の方が歩く通路となりますので、あらゆる部分を頑丈に施工しておく必要がございます。


防草シートの上へ錆砂利を厚めに敷き込んでいけば、花壇周りの施工が完成となります。大雨でも水溜りが出来ず、靴底に土も付かない空間が出来上がりました。


完成致しました、植栽と庭石組み花壇の様子です。花壇の中にも容易に手を伸ばす事が出来、無駄の無い面積の花壇が出来上がりました。ソヨゴの背後は軒下を活かして自転車を置く事もでき、景観的にも実用的にも優れたお庭となりました。お客様ご自身にて植物を植えていただく事で、植木や庭石とのコントラストにより美しく映える事と思います。

広すぎるスペースを庭造りによって無駄なく絞り込み、景観の一部の様な花壇を見せる庭造り。無機質となってしまっている空間をお持ちの方は、是非取り入れていただきたい造園手法となります。
それでは失礼致します。