雑草対策のお困りだったマンション専用庭を、山間の雰囲気漂うナチュラルガーデンへリフォームした施工例です。
自然を大いに感じられるナチュラルガーデンを基本デザインとしながら、サイクルスペースや家庭菜園も兼ね備えた楽しい庭を考えてみました。
施工前の専用庭
施工前のお庭には大きく成長した2本の樹木があり、この2本だけでほぼお庭を占拠してしまっている状況でした。
地面は生育力の強い雑草に覆われており、所々に傾斜も付いておりました為に歩きにくいお庭となっておりました。
今回は雑草対策を重要な要素としながら、木々に囲まれる自然な庭を作っていきます。
専用庭に誕生したナチュラルガーデンの全景
リビング付近より眺める、リフォームされたナチュラルガーデンの様子です。
立ち木(高木)につきましてはジューンベリーやアオダモ、イロハモミジでシンプルにまとめ、お庭の両端と中心に据えて骨格としております。
また、冬でも庭に緑が添えられる様、スクリーンとなる壁際や隣家側にはオリーブやヤマモモ、ソヨゴ等の常緑樹をレイアウトしています。
庭木選びは成長後の姿はもちろん、お庭の環境にも留意する事が大切です。
特に落葉樹(雑木)を主体としたナチュラルガーデンは、むしろ陽の当たり過ぎに注意した設計が重要となります。
樹木が持つ自然風の雰囲気だけで種類を選んでしまいますと、後々の生育不良や維持が難しくなるケースが多く見られます。
木々に抱かれる自然な庭通路と低いウッドフェンス
左写真:共用駐輪場へと繋がるお庭の出入り口は木々の向こうに自然に続く様な風景にしております。
明確な通路やアプローチを作る事なく、木々の間が自然に通路として目に写る雰囲気作りが大切です。
庭木の植栽角度は陽を求めて通路空間側へ枝を伸ばした様に感じられる様に調整し、木々に抱かれた雰囲気を出しております。
踏みしめの柔らかなバークチップを歩く、自然味豊かなガーデンアプローチとなっております。
右写真:後にご紹介を致します家庭菜園の向こう側へローウッドフェンスを設置。
こちらのウッドフェンスはサイクルスペースの自転車を目隠ししながらも風通しを妨げない様に設計しております。菜園も雑木類や低木に囲まれた雰囲気となっており、お庭の景観の一部としても重要な眺めとなります。
ローウッドデッキが快適なナチュラル感を
雑木も隣接し、自然を身近に感じられるウッドデッキは高さを15cmに設定したロータイプで、既存バルコニーの防水塗装などのメンテナンス時に支障をきたさない様に留意した設計に。
低いウッドデッキはお部屋とナチュラルガーデンを繋ぐ橋渡しの様な役割も持ち、あらゆる用途で活かす事が出来ます。
もちろん何も置かずにシンプルにお使いいただいても、ナチュラルガーデンの景観の一部となります。
自然な優しさを感じる菜園
家庭菜園をお庭のほぼ中心に設置する以上、菜園そのものが自然味溢れるものでなければなりません。
全体景観と致しましてはやはり菜園そのものが単純に目立ち過ぎる事が無い様に、木々に自然と囲まれた様な雰囲気と致しました。
ですが菜園そのものはコンクリート擬木や山の自然石を組み込んだ頑丈な作りとなっており、足を乗せても問題ない頑丈さを持たせています。
既存の土は深さ25センチ程まで掘り下げて処分し、バーク堆肥を混ぜ込んだ赤土へ入れ替えをしております。
菜園の形状は当初は四角形を予定しておりましたが、手前角は山石組みとする事で自然味を増す事と致しました。
周囲の雑木や低木類と山石は相性も良く、木・石・菜園の全てが一体となって見えます。
菜園に隣接したウッドフェンスは適度な風通し空間が空いており、こちらには草花などを寄せ植えした軽量プランターなどのハンギングをする事も出来ます。
雑木をより自然に見せる寄せ植え
菜園と繋がる雑木類の寄せ植えは、山間の雰囲気になぞらえて他種同士が一体感を感じられる植栽設計に。アオダモの足下で活き活きと枝を伸ばす白山吹やダンコウバイが自然味を引き出してくれます。
洋風ナチュラルに見せた水栓周り
木製部分も備えたナチュラルタイプの立水栓は、ウッドデッキから直接降り立てる位置へ設置して使い勝手を向上致しており、お庭の一部として美しく見える様にしました。
コンクリート製の枕木は頑丈に設置し、浸透砂利が敷かれた流し部分は水溜りが出来る事も無く、排水パンを設置した際の汚れが気になってしまう事も起こりません。
むしろ庭石のみで構成を致しますと水周りが広くなり、使い易くなるものです。
木製部分もある立水栓ですので、何年か先の取替えを考慮しておく必要がありますが、据え付けコンクリートは最低限とし、水栓左右の石は固定しておらず、いつでも外す事が出来る様になっております。
周囲は這性コニファーやセダムなどの剛健種を植栽し、生育の緩やかなソヨゴを植えておくことで、枝が水場の邪魔になってしまう事もありません。
ローウッドフェンスとサイクルスペース
家庭菜園の裏手には、入り口から入ってすぐに駐輪が出来るサイクルスペースを施工しております。
コンクリート製の枕木を繋ぎ合わせた頑丈なスペースは幅1mをキープし、3台程の自転車を停めておく事が出来ます。
自転車が無い時も枕木調の景観がお庭とマッチしており、全体の雰囲気を損なわない様になっています。