住宅の間取りによりましては、南側を主庭、北側を玄関とする設計も多くございます。
玄関脇には植木を植える為のスペースが確保されている事も多く、それはコンクリートのくり抜きであったり花壇だったりと様々です。
こちらの花壇も暗く見えがちな北側に位置しており、植栽配置をデザインする事でおしゃれな玄関周りに見せております。
花壇は植物で全て覆い尽くす必要はなく、如何に最低限の植栽で美しく見せるかが大切なポイントとなります。
植木の周囲に適度な空間が確保されれば元気な生育に繋がり、一つ一つの植物が美しく引き立てられる効果もあります。
空間は伊勢砂利と錆砂利を組み合わせて構成しており、北側を明るく見せています。
花壇の中心には目立つ点検口がございました為、マホニアコンフューサで目隠しをしております。
北側や壁際でも美しい発色を見せ、こちらならある程度の大きさまで放任して育てる事が可能です。
左手のセキショウは西日を避けるレイアウトをしており、右手は日差しに強いカレックスを植栽。
どちらも個性的なカラーリーフであり、花壇を明るく見せる色彩構成に貢献しております。
面積の限られた花壇においては低木のレイアウトがとても大切な要素であり、デザイン性とメンテナンス性を両立させたレイアウトが求められます。
立ち木はソヨゴとヒメシャリンバイを左右にレイアウトするデザインに。
共に耐陰性で生育が緩やかな為、北側花壇向きの代表種と言えると思います。
品種の選択はもちろん、花壇の場所や環境を実際に確認した設計者が植木をお選びしておりますので、植栽完成時に植木が自然に馴染みます。
今回植栽のソヨゴは単幹の樹形を選択し、花壇からの過度な越境対策をしています。
また、枝葉が多すぎる樹形は道路からの眺めも圧迫感を感じてしまいます為、なるべく軽やかな雰囲気で維持する事が出来る木をお選び致しました。
シンボルツリーとしての存在感はもちろん、窓ガラスをさりげなく目隠しするレイアウトも兼ねております。