今回造園を行わせていただきましたのは、「濱たん 新横浜」様の店舗内、室内における作庭造作となります。
室内造園におきましては、その作庭部分を際立たせる事も大切ながら、やはり周囲の内装そのものとの調和を考える必要がございます。
今回は内装と作庭造作とのマッチングもオーナー様自らお考えを持っておられました為、内装と庭がしっとりと馴染む仕上がりとなりました。
エレベーターを降りられたお客様が最初に目にするお出迎え部分には、細長い部分へ施工した小庭を設えております。
竹やモミジなどはもちろん人工植物を使用しており、これらをいかに自然に見せるかがレイアウト上で重要になります。
壁の中央はプロジェクターによって映像が投影される為、庭は中央に空間を設けるデザインになっています。
モミジ型の人工植物は大小を組み合わせて自然に見せており、竹におきましては商品を更に分割加工して密生させ、自然に本数が増えたかの様なレイアウトを行っています。
苔山は単調に見えない様に段階的な盛り付けをしています。
苔は乾燥処理したハイゴケを着色したものでありますので、本物と見紛う仕上がりに。
苔地に落ちている小枝や葉の断片なども敷き詰めていますので、非常に自然に見える庭となります。
さらに粉状の着色を表面に施し、庭石にも苔生した様子を再現すべく加工をしています。
竹は競って伸び合うかのように次々と生育する様を再現したいものです。
出来る限り密生感を再現し、苔地との一体感を追求しました。
庭石には上から生育してきたハイゴケに飲まれつつある様子を再現する加工をしており、長い時間を経た風景に見せています。
こちらは座席背後の長方スペースへ作庭した箇所となります。
竹・石・枯山水を融合した坪庭風のデザインとなっており、左から右へ動きを感じる庭になっています。
築山となる苔から無数の竹が生じた風景を再現しており、あらゆる場所から眺められる位置上、庭石もやや大振りな物を据え付けています。
庭の角は竹の群生によって柔らかな印象となり、スペースの直角感を打ち消しています。
排煙装置などの重要設備と植栽は干渉しない様にレイアウトをしており、その使用に支障が無い様に配慮します。
竹に合わせるのは笹をイメージした人工植物で、下草的なレイアウトをしています。
通常の造園と同じく、竹の背後で奥深さを演出したり、庭石を柔らかく見せる効果をもたらします。
風景は竹の群生地から大小の島に見立てた庭石へ移り、ここから枯れ流れとなっていきます。
単調な砂利敷きは広さを演出出来ますが、流れ模様を加えれば自然に目線が移る庭景色になります。
枯れ流れの対岸にはもう一つの小島を設け、こちらはモミジ型の人工植物をレイアウトしています。
こちらは植物の本数を抑えて凛としたデザインにしており、対岸とは異なる雰囲気を感じられます。
店内からは庭の左右の繋がりを一望出来ますので、より広々と優雅な風景を楽しむ事が出来ます。
尚、こちらの店舗様ではバルコニーへも作庭を施しております。
併せましてバルコニーに設えた和風の坪庭-牛タン専門店 濱たん 新横浜もご覧下さいませ。