今回は世田谷区のS様邸の花壇への植栽をご紹介致します。
お住まいはオフホワイトとブラックを基調としたシックな佇まいとなっており、塀や花壇は打ち放しによる重厚な仕上がりとなっております。
外壁は高級マンションなどに使用される石調タイルで、通常よりも大判の物を美しくあしらっております。
こちらのお住まいに自然に調和致します様、ご希望やイメージをお聞きしたうえでの植栽ご提案となりました。
お客様よりいただきましたご要望と致しましては、
- 玄関を開けた際に緑がさりげなく目隠しとなる(植栽には高さが必要)
- 十分な高さもありながらも乱れの少ないスマートな作りの植木を
- 色彩に統一感を持たせ、全体にまとまりが見られる様に
上記名の様に具体的なご意見を戴く事ができました。
花壇は大小2箇所ございますが、ご要望の通り色彩・品種共に綺麗に揃える事でお住まい周り(間口)が広く見え、離れて眺めた際にお住まいのスケールが明確になり、全体が立派に見える効果がございます。
お客様のお住まいに対するセンスがうかがえるご要望であったと思います。
シンボルツリーのソヨゴとブルーベリーをレイアウト
まずは玄関の目隠しの役割を持つソヨゴの株立ちを植栽します。
シンボルツリーという見方も出来ますが、今回の植栽におきましてはお住まいと調和する自然な緑といった様な捉え方で植栽を考えました。
幅のありすぎる物や曲がりの強い物とは異なり、ストレートで無駄なく作られた樹形をご用意致しました。
直線を基調としたお住まいに良く映えます。
植栽位置はお客様にご確認をいただき、微調整をして決定致しました。
ソヨゴに添える存在として一回りコンパクトなブルーベリーを植栽します。
ソヨゴは実成りも良く季節の変化を感じられる植木ですが、さらに自然感と四季を感じられる存在としてブルーベリーも植栽致しました。
花壇の方角・土質・夏場の水遣りなどの条件が揃えば綺麗に育ちます。
門扉を挟んだ反対側にも同じデザインの小さな花壇があります。
こちらにもシンボルツリーと同じソヨゴを植栽する事で、幅広い統一感を持たせる事が出来ます。
多くの樹種を寄せ植えしますと遠くから眺めた際にテーマが薄くなってしまい、シックなお住まいとの引き立て合いが難しくなってきますので、まず色彩イメージをシンプルに決めてしまうのが良いでしょう。
こちらのソヨゴは単幹樹形ですが、柔らかい印象を残した樹形となっておりますが、植木は「賑やかさ」ではなく「マッチング」の方が大切です。
骨格や芯が通っている樹形の木は綺麗な生長を見込む事が出来る反面、枝葉が多過ぎて幹や骨格が見えない木の方は枝振りが乱雑である事もあり、成長を考えると要注意です。
見栄え良く乾燥も抑制する低木コニファーを植栽
続けて立ち木類の足元へは低木コニファーであるブルーパシフィックを寄せ植えしていきます。
グランドカバーとして知られる植物は数多くありますが、最低限のメンテナンスで綺麗に長期に渡って絨毯状に出来るものは意外と限られています。
あまりに容易に地面を覆う植物ですとすぐに溢れ出し、日頃からカットが必要になってしまいます。
また、あまりにも他種の植栽同士が被さり合うレイアウトをしてしますと、成長の強い方が弱い方の植物を覆って枯らす事もあります。
寄せ植えを行う場合は種類を多くし過ぎず、メンテナンス性を高める為にもシンプルにまとめるのがおすすめです。
グランドカバーの植栽時には十分な量の堆肥混合赤土を使用しております。
花壇の様に乾燥のしやすい場所ですと、乾きやすい培養土などを使用する際は注意が必要です。
肥料分を多く含んだ培養土だけを使うと乾燥もしやすく、その状態が続くと肥料焼けも起こす事があります。
植栽を終えたお住まいの様子です
お客様のご希望より、統一感のあるシックな植栽スペースとなりました。
外壁やお住まいの形状、共に植栽との相性が美しい仕上がりとなり、お住まいの顔となる植栽は建物との調和が非常に大切である事がお解りいただけると思います。
尚、こちらの施工例は世田谷区S様邸 濃緑色の植栽がお住まいをシャープに引き立てますにてご覧いただく事が出来ます。
花壇スペースは、広くはないケースがほとんどではありますが、道行く方々からの印象を決めてしまう程の重要性を秘めているスペースでもございます。
ご依頼の際は全体像を考え、お住まいの風景をご一緒に考える事が出来ましたら幸いです。
それでは失礼致します。