今回は市川市のA様邸にて施工をさせていただきましたお庭づくりのご紹介です。
A様邸はお住まいそのものに入念な設計がなされており、非常に快適なお住まいとなっております。
大きく取られた窓などは採光の為であります事はもちろん、植栽をリビングや書斎から感じられる事を前提にした設計がなされており、植木の配置のご希望を明確にお持ちになられておりました。
今回はご希望の箇所への植栽として良質な植木をお納めし、雑草対策も入念に施したお庭づくりをさせていただきます。
面積を広く取ったウッドデッキは室内から容易にお庭へ出る事が出来ますが、この様な広い面積のデッキですと、外へ出ずとも景観的にお部屋とお庭が繋がった様な視覚効果をもたらします。
お住まいより眺めれば、フローリングがお庭まで続いているかの様な眺めとなり、建築設計だけでは出せない「視覚的心地良さ」を感じられます。
こちらは軒下となりますがお庭として活用出来るスペースとなります。
軒下ですので乾燥が強く、植栽にはやや難しい条件となります。こちらには洋風平板を使ったテラスを施工し、テーブルやサイクルなど、あらゆる置場ともなるスペースを作ります。玄関を入った窓より眺められるこちらの部分も、お庭として重要なウェイトを持っております。
お庭の中へ濃いグリーンをもたらす植木を植栽。目隠し効果も兼ねております。
お庭の隅に配置される植木はシラカシやシマトネリコなど、目隠し効果を兼ねた常緑樹です。双方共に生長力が旺盛ですので、植栽時よりも大きくなる事を想定しております。実際の目線はお庭の中、お住まいの中、丁度良い目隠し位置へ植栽を施していきます。
角部分へシマトネリコを植栽。生長を見込んだ配置が必須であるこの植木は、お庭のコーナーを隠して全景を柔らかくする効果も兼ねております。特に隣地境界などは一回り余裕を持った植栽配置が必須となります。
シマトネリコとシラカシの植栽で緑濃くなった様子。シラカシの場合は縦方向への成長力が強い為、そちらにも留意しておく事が大切です。また、低く保とうとする剪定はいとも簡単に樹形を崩します。切り口部分を境に幹が太る傾向が強い為、枝隙きによる柔らかい剪定を計画しておく必要があります。
こちらはウッド調アルミフェンスを背景にしたオリーブの列植です。植栽時は間隔が広く感じますが、ある程度放任して柔らかく幅が広がりますと、自然に膨らんだ2本が視覚的に一体化します。オリーブにおきましても切り口からの枝太りが強い為、常に伸びた枝がなびく様な姿になる様に心掛けたいものです。
お住まいから一体感を感じる為の落葉樹の植栽。木立の様な配置で心地良さを考えます。
最も背の高い植栽はこちらのヤマボウシとなります。お庭の中のシンボル的な植栽ではございますが、周囲にも落葉樹を配置する為、この植木だけが目立つ様な植栽配置は避けております。こちらのヤマボウシはデッキに寄り添いお住まいとの一体感を出し、同時にリビングの高窓や2階書斎からも眺められる設計となっております。
お住まいの窓につかず離れずの配置でまとめたヤマボウシの植栽。窓の多いお住まいですので、あらゆるところから存在を感じる事ができます。
さらに寄り添う様にヤマボウシを植栽します。こちらの配置はお住まいから眺めた際、2株のヤマボウシが重なり合って見える位置へ調整をしております。奥行きの少ないお庭で有効となる技法で、少ない本数の植木でも奥行き感や野趣を感じる事が出来ます。
主な植木の植栽配置が整い、デザイン上の骨格となる中低木を配置します。
常緑低木の配置は、ある意味高木の配置よりも大切であり、難しくもあります。
高木は遠景を意識した植栽をする事も多く、例えますと窓の前、玄関の前、お庭の角など、場所はある程度デザイン上も取り決めやすい位置付けとなります。また、実際にお庭に立ちましても高木は配置自体は目に留まりにくく、どちらかと申しますと雰囲気を感じる為の存在となります。
反面、低木類の植栽はお庭に立ちましてもデザイン上の要素が強く、配置によって周囲のあらゆる物を引き立てる必要があります。お庭のデザインそのものを誘導するのはむしろ中低木の存在であり、アプローチや資材などは高木・中木・下草類のレイアウトによって定まると申しましても過言ではございません。
高木を引き立てる、コンフューサやキンシバイの低木類を整え、グランドカバーや下草で周囲のデザインを決定付けます。資材・マテリアルを優先したエクステリア工事ではこの様な景観を作る事は非常に難しく、どちらかというと空いた場所へ植栽を施す事が多くなります。 植栽を優先したデザインは、お庭に活き活きとした印象を与えてくれます。
暗くなりがちなお庭の奥はイエローリーフのグランドカバーやシロタエギクで形成していきます。お庭の中央には紅葉が美しいブルーベリーを伸び伸びと生長できる様に植栽します。
歩く為の空白部分には防草シートで雑草対策を。
お庭の余白、つまり歩く為の通路となる部分へ万遍なく防草シートを施工していきます。下草ラインや植栽の形状に合わせて裁断しながらピン留めを施していきます。
この様にシートは1枚物を仮置きしたうえで、デザインに合わせて切り込んでいきます。裁断箇所を可能な限り少なく施工する事で、合わせ目の少ない確実な施工とする事が出来ます。
軒下テラスは洋風ペイピングによって施工します。
テラスに使用するペイピング材は、コンクリート製ながらも石肌の質感を出した「洋風ナチュラル」な位置づけの物となっております。コンクリートによる下地上に据え付け、経年を感じる洋風テイストに仕上がります。石の乱張りやタイルなどですと洋風色が強くなったり無機質に感じる事になりますので、今回はお庭のコンセプトに合わせてナチュラル感を演出致しております。
目地材は後々硬化する粉状のものを使用します。モルタルなどで施工する事もございますが、砂が固まった様な質感の方が平板とのマッチングが良い為、この様な施工となります。モルタルの場合はコテで滑らかに仕上げず、スポンジなどで砂を表面に露出させると自然な仕上がりになります。
テラス周りにも入念に防草シートを施工。砂利の沈み込み防止効果を発揮します。
テラス周囲も砂利敷きによる仕上げとなります為、お庭と同様に防草シートを敷き込んでいきます。軒下となりますので雑草の発生はほとんどございませんが、砂利が沈み込んで土壌と一体化する事を防ぐ、大切な役割を持っています。
仕上がった平板テラス周りの様子です。派手さを感じない控え目な平板テラスは主役を主張しません為、周囲の木々やお住まいが調和して引き立ってまいります。
防草シートを施工した箇所へ砂利を搬入して仕上げていきます。
くまなく防草シートを施工したお庭へ砂利を搬入して仕上げていきます。お住まい周囲まで砂利による仕上げとなっておりますので、防犯上の効果もおおいに期待できます。
お庭の錆砂利とお住まい脇の防犯砂利が混じり合わない様に、コンクリート縁石を施工して境界と致しております。砂利は隣接しますと必ず交じり合ってしまう為、必須の施工作業となります。
錆砂利敷きによってお庭づくりが完了致しました様子です。
主庭部分の砂利は周囲を明るくし、お庭の雰囲気が一変します。デッキ周囲は空間を確保しておりますので、気持ちの良い風がお庭を吹き抜けます。水溜りなども出来ない快適なお庭となりました。
平板テラスの周囲も砂利敷きによって仕上がりました。強い乾燥で砂状になっていた風景からも開放され、植栽部分とも一体感を感じられるエリアとなりました。
こんかいご紹介を致しましたこちらのお庭の詳細につきましてはお庭の施工例-植木のナチュラル感を活かした洋風ガーデン-市川市A様邸にてご紹介をさせていただいております。 併せましてご参考下さいませ。
それでは失礼致します。
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