施工前のお庭は芝生の残りが自生状態となり、地面に敷き詰めたレンガ同士の間から絶え間なく発生する状況でございました。
外周からの目隠し対策も必要でございました為、今回はナチュラルガーデンに併せまして目隠しフェンスの施工も行っております。
目隠しフェンスのご紹介はお庭の施工例-お住まいを優しく引き立てる目隠し樹脂フェンス-松戸市K様邸にてご紹介を致しております。
周囲を樹脂フェンスに囲む事でプライベート感を確保する事が出来たお庭。
中心には今回のデザインの中で主役となっておりましたフラットテラスを設けております。
フェンスの高さはチェアに腰掛けた際に落ち着ける様に、最低限の設計になっており、大切りの大谷石からテラスへ降り立つ事が出来ます。
タイルや洋風平板などで広いテラスを施工しますと、テラスの色味が強くなってお庭で浮いた存在になる場合がありますが、硬い印象を払拭したナチュラルなテラスなら、周囲の雑木類によく馴染みます。
シマトネリコやアオダモは既存の樹種ともよく馴染み、生長をさせていく事で夏場は木陰作りにも一役を買ってくれます。
落葉樹は夏場の耐久力を加味して樹種を選ぶ事が大切です。
シマトネリコは単独でシンボルツリーとして使われる事が多い様ですが、やはり庭の中心部で生長させる前提で植栽される事をお勧め致します。
お庭の角部にはシラカシを植栽して高所からの目隠し対策とし、ソヨゴなどの中木によって林の雰囲気を作っております。
左写真:お住まいリビング窓付近より眺めるアプローチ方向の眺め。ワンクッションを置く様に、一部に枕木調のコンクリート平板にてデザインを致しております。左右に振り分けられた自然石(鳥海石)は、主な鑑賞方向から全て目に入りやすい位置へ据え付けております。遠くまで庭石が転々と存在する姿は、自然味をより感じられるものです。
右写真:チェアに腰掛けた際も、奥まで続くお庭の風景を感じる事が出来ます。特に目立たせる場所を設けず、隅々まで同一の雰囲気にてまとめる事が、ナチュラルガーデンのデザイン要素となります。
テラスから続くアプローチは、枕木調コンクリート平板と大谷石を混在させております。
歩きやすさを損なわず、それでも遊び心や自然味は取り入れたいものです。
空間となる部分は全面に雑草対策(防草シート・透水性舗装)を施し、ナチュラルな割石砂利を敷き込んでおります。
また、植栽に近い部分はバークチップを敷き込み、全てが石類で構成されるのを避けたデザインにしております。
鳥海石やエッジング材によって明確に植栽エリアを区切っており、土部分は自由に使える花壇として使う事が出来ます。
左写真:お庭の奥からテラス方向を眺めるアングルです。既存樹の位置は変えず、ジューンベリーやアロニアを自然に抱かせた植栽配置により、木々の間を縫って進むようなデザインに。庭石も同じく左右に振られる様なテンポで据え付けを行っております。
右写真:テラス側からお住まい脇方向を見るアングルです。同じアプローチを写しておりますが、広がる場所へ抜ける雰囲気と奥へ進む雰囲気が全く異なる事がお解かりいただける事と思います。こちらのアプローチを歩いていきますと、立水栓へ辿り着く事が出来ます。
左写真:既存の枕木水栓を囲む鳥海石で、水落部分の砂利空間を囲みます。
砂利部分は深くまで水が浸透する様になっており、水を流し続けても水溜りになる事はありません。
こちらの部分は水栓と同様に枕木調の平板を多用する事で、お庭としての一体感を出しています。
右写真:水栓付近からナチュラルガーデン方向を見る眺め。お庭部分の高さに比べて境界壁の高さが低い為、どこかで段差を集約させる必要がございました。
そこで飛石部分のみステップ状の落差を付ける事で、その他のアプローチ~テラスをフラットに施工する事が出来ました。
長野産自然石の飛石は、高低差によってよりナチュラル感を出す事が出来たのではないかと思います。