S様邸は閑静な住宅街にあり、お庭は前面道路よりも小高くなった場所へ位置しています。
この為様々な面で好環境と言えるお庭ですが、反面、環境が良いと雑草が生育しやすくもなります。
そこで今回は雑草対策を主として、お子様ものびのびと遊べる様なお庭をデザインさせていただきました。
要所にのみ植栽を取り入れ、お庭を狭くせずに快適さを感じられる景観を考えました。
お庭の大部分をバークチップ敷きで仕上げたお庭は広々としており、踏み心地も柔らかくお子様の遊び場としても楽しい場所に。
バークチップの下はザバーン防草シートと強化テープにより雑草対策を行っており、ドクダミやスギナ等の雑草も生えにくくなっています。
植栽は塀際に集中しておりますが、ビューポイントからは前後して見えるレイアウトになっており、単調な景観に見せないデザイン上の工夫をしております。
アオダモはその自然樹形を活かす様に、左手から庭側へ傾いだ雰囲気に。雑木らしさを感じさせるには、広い場所へ自然に枝を伸ばしたかの様な植え付けが有効となります。
右手のソヨゴはリビング正面方向の目隠しを担っています。
目隠しと言えば隠したい場所の近くに植栽をするイメージがあるかと思いますが、目隠し効果の高い樹形であれば、ビューポイントから遠くへ離して植栽する事が可能となります。
ナチュラルガーデンらしさを感じさせてくれる鳥海石は、実に様々な表情を持つ山石です。
和庭や枯れ流れに使用する際は、荒々しく切り立った物、角のある物を選んだりしますが、今回の様なお庭では逆に丸みを帯びた優しげな石を選ぶ必要があります。
遊び場としての安全性はもとより、景観面も優しい雰囲気にする事が出来ます。
立水栓周りはグレー系の割砂利によって仕上げています。
バークチップも水捌けは悪くございませんが、やはり水周りは砂利敷きによって気持ちの良い空間にしておきたいものです。
ホースの伸縮の際もバークチップと比べて散らかり難く、何よりも素材の変化によって面白味のあるお庭に見えます。
砂利敷きとバークチップを中和する様に寄せ植えしたコニファーのグランドカバーがお庭の色合いを引き締めます。