「牛タン専門店 濱たん」様におきまして、バルコニーへの作庭を行わせていただきました。
個室席から眺められるこちらの庭は、砂利空間と苔山を合わせた坪庭風のデザインとなっており、竹やモミジを模した人工植物を自然にレイアウトしています。
土壌は簡易舗装材を使って造形し、乾燥加工をした苔を自然に見せる様に付着させています。
ランチタイムは自然光、夜間はスポット照明で照らされるバルコニーの坪庭は、店舗内通路からも眺める事が出来ます。ビルの8階に位置しながら、まるで地上の庭の様な風景を身近に感じる事が出来ます。
店内の縦格子が坪庭を見え隠れさせ、一層和風の風情を感じさせます。
砂利敷き空間を挟む事で奥行が生まれ、庭が広く見える様になります。
また、砂利と人工苔の色彩が大きく2分する事で、凛としたコントラストを生み出しています。
最奥の個室席からは坪庭の全景をゆっくりと眺められる様になっています。
明るい時間は自然光によって陰影が浮かび上がり、人工素材である事を全く感じさせないお庭になっています。
庭石は重量を考慮し小振りな物を選んでおりますが、その中でも大小を織り交ぜ、大きさによる遠近法も取り入れたデザインに。
大きく明るい窓は一面で外の風景を感じる事ができ、庭と店内が一体となった感覚になっています。
店内のフロアがそのまま地続きになった様な風景が、お食事の時間を一層優雅にしてくれます。
こちらのお庭は個室席からの眺めを最優先に考えてデザインしておりますが、全体構成も考えて造園技法を取り入れています。
こちらのアングルは店内からはご覧いただけませんものの、どこから眺めても動きのある苔庭を楽しむ事が出来ます。
苔生した庭石を表現する為、自然光の当たらない部分に自然な苔色を付けた庭石。
どこまでも自然に忠実な作庭を考え、随所に工夫と加工を施しています。
苔の生育具合も場所によってボリュームと色合いを調整しており、人工植物である事を感じさせない坪庭となっています。
石組みには古来より、緊張感を感じさせる据え方や、静けさを感じさせる据え方が使い分けられてきました。
小~中規模での造園ではその中間あたりの据え方が最も落ち着きを感じられ、程好い緊張感の中に時折優しそうな石を添えると一層効果的です。
この庭石には自然に苔が上がって付着した様子を加工しており、何年も前からあった様にも見せています。
こちらの部分は個室席から最も遠い、庭の最奥部となります。こちらのエリアでは敢えて背の低い竹素材をレイアウトし、庭石も小さ目の物を選んで構成しています。
これは席から眺めた際に素材を一層小さく見せる事で、より遠くに存在するかの様に見せる工夫の一つです。
より離れて見えるという事は、庭の面積がより広く見える事に繋がります。
小さな工夫が大きな効果を生む、是非取り入れていただきたい造園技法です。
尚、こちらでは店舗内においても坪庭を制作しております。
併せまして和モダンな内装に溶け込む室内坪庭造作-牛タン専門店 濱たん 新横浜の方もご参考下さいませ。