S様邸は玄関周りが広く道路に開けており、いわゆる遮蔽物が無い造りとなっておりました。
今回は道路境界付近へプランターの植栽を設置し、目隠し効果を得られる様に施工をさせていただきました。
あえて遮蔽物を設置する形になりますが、プランターの裏側を歩くアプローチの様な仕上がりとなっており、プライベート感も得られる様になりました。
プランターの奥行きは40cm前後と大型ですが、草花と異なり庭木を植栽する場合は最低でもこのサイズが推奨されます。
庭木の根鉢は直径30cm程度は想定する必要があり、植栽後の根の成長を考えましても写真の様な余裕は必要です。
植栽するのは地中用ポットに入れられたコニファー(ゴールドライダー)ですので根の保管状態も良く、根切りを行わずにお納めする事が可能です。
庭植えでは行う事がありませんが、プランターへの植栽時はある程度の突き固めを行います。
プランター植栽は柔らかい土を使う事が多く、水決めによっていくらか締め固まるとは言え、プランターそのものが強風で倒れやすいというリスクがあります。
軽い力加減で根鉢周囲を突き固め、小さな力が加わっても木が傾かない程度にしておくのが良いでしょう。
プランター植栽の場合、横方向へ通した竹材へそれぞれの木を結束する事で、風止めとする事が多いです。
背後に頑丈な構造物があればこの竹とを結束して、万全な風止め対策とする事が出来ます。
今回は竹材に木を縛るだけとなりますが、ある程度の風止め効果が見込まれます。
仕上がったプランター植栽は2台が連結して機能しており、6本のコニファーが生垣の様な佇まいを見せてくれます。
植えた庭木はゴールドライダーというコニファーであり、年1度の刈り込み剪定によって密度の高い状態で維持する事が出来ます。
陽当たりが必須となるコニファーは暗くなりがちな幹周りに葉が付かない品種が多いのですが、ゴールドライダーは枝の奥まで葉が茂っているのが特徴であり、これが高い目隠し効果をもたらしています。
プランターを設置する事で、敷地と道路が明確に区切られています。
この裏側を歩いて玄関へ向かう事になるのですが、目隠し効果の高い生垣の裏を歩く、いわゆるアプローチの様な佇まいが実現しました。
玄関周りも完全に目隠しされ、出入りの際も外から見えてしまう事が無くなっております。
コニファーの場合ですと葉を残す為に軽い刈り込みを行う事が多く、これが段々と膨れ上がってきてしまう要因となります。
多くのコニファーは葉を残す刈り込みが必要である為に体積の管理が難しく、薄い生垣として維持する事も困難です。
しかしゴールドライダーは懐まで葉が付いている為、他種よりも深めに刈り戻す剪定が可能です。
この事から適度に定めた幅で維持する事ができ、生垣として機能する数少ないコニファーと言えるでしょう。
プランター裏側、アプローチの様な佇まいとなった空間はコニファーの緑が溢れ、心地よい景観となりました。
コニファーの主なメリットと致しまして
- 乾燥に強い
- 毛虫が付きにくい
という事が挙げられます。
乾燥に強い特性はプランターへの植栽に向いているという事になり、毛虫が付きにくい特性はアプローチへの植栽に向いていると言えます。
多くのコニファーは陽の当たる面と裏側の面、それぞれの葉密度が著しく異なってくる事がほとんどで、裏側は幹が丸見えという事も珍しくありません。
しかしゴールドライダーは裏側の葉もある程度残るという一面があり、両側から鑑賞する様な生垣としてもおすすめ出来るコニファーです。
密生した生垣として育てられるコニファーは限られていますので、プランター植栽をご検討される方は是非ご参考いただければと思います。