T様邸の花壇は道路沿いに位置しており、60cm程小高くなった作りになっております。
この様な花壇は植栽デザインを施しますと低木やグランドカバーでも立体的に視界に入りやすく、小さな庭として見せるに適しております。
主要な立ち木の植栽は3本に留め、それぞれ表情の異なる植木を選んでいます。
ソヨゴは2本用いておりますが、単幹と株立ちを使い分け、手前は落葉樹のセイヨウカマツカ(アロニア)で季節感を添えます。
人工芝と洋風庭石の色合いを点在させながら、時折縁石の黒色で引締めるポイントを作っています。
こちらの窓は普段から開閉を行ったりシャッターも閉める事がありますので、干渉しない様に低木類でまとめています。
このエリアでは道路側へ傾いだブルーベリーを主役に見せ、足下へ各種カラーリーフの植栽や人工芝の色合いによるデザインを施しています。
ブルーマウンドやツゲ等は乾燥にも耐えやすく、繊細な葉は小さな場所にもマッチします。
洋風の庭石として用いるみかも石は割れの表情があってナチュラル感も得られますが、石だけですと硬さを感じやすい為、周囲の素材で中和させるのが効果的です。
周囲へ人工芝やレンガチップによるデザインを施して洋風ナチュラルに見せていますが、黒い縁石による引き締め効果も効かせています。
こうして構成された足下へ立ち木が被さる様に植栽すれば、全体が一つのスモールガーデンとしてまとまって見える様になります。小さな花壇の中とは思えない、奥深さを感じさせる風景です。
こちらの花壇では庭石から植栽、人工芝に至るまで明るい色を使っておりますので、随所に引締め役となる縁石を設置しています。
焼き角材を模したコンクリート製の素材ですので、腐食も無くナチュラル感を添える事が出来ます。
暗色は周囲の緑を引き立てる効果もあり、特に濃緑色のコニファーやローズマリーとの相性が美しく見えます。
カレックスなどが持つ細葉は柔らかさと自然味を演出でき、生育的にも花壇に向いた植物と言えます。
こちらではブルーリーフとしてフェスツカグラウカも合わせており、涼しげなナチュラル感を感じさせてくれます。
人工芝と細葉植物は景観的なマッチングも良く、周囲の植物とも違和感なく溶け込んで見えます。
花壇の中をデザインする際は、まずランダムな素材配置によって直線を打ち消す事がお勧めとなります。
これは縦方向から眺めた際に各素材や植栽が見え隠れする様になり、奥深さが増す為です。
同時に素材の向きも「縦」「横」に捉われずに「斜め」に据え付けたりする事で、ビューポイントによって全く異なる風景に見える様になります。