Y様邸のお庭には既存樹としてシマトネリコと常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)がございました。シマトネリコの方は剪定によって足下へ木漏れ日が届く様にし、常緑ヤマボウシは移植によって中央に植栽・造園の為の空間を設けました。
奥行きの短い小さな庭空間へ自然風景を作る事を意識し、自然石と下草類が織り成す涼しげなナチュラルガーデンと致しました。
左写真:お庭の面積の半分を枕木アプローチとしたデザインにより、お住まいと植栽の間に1m程の空間を確保しております。この空間は木漏れ日や風通しの為に重要であり、同時に歩く為の空間を確保する事が出来ます。
右写真:既存樹の間にはソヨゴの単幹物を植栽しております。
曲がりを持った野趣ある樹形をご用意する事で、以前から庭に生えていた様な雰囲気を作り出す事が出来ます。
幹の曲がりによって生まれる空間は、アガパンサスの花芽が伸びる為に役立ちます。
半日陰となるお庭に適応する植物は意外に多いものです。下草類の色合いもより色濃く変化し、自然石の色合いもより山間に近い雰囲気に変化していきます。ラン系を始め、アガパンサスやギボウシなどの草が花を付け、アロニアの紅葉が引き立つ庭構成となっております。
コンクリート製ですので枕木アプローチは腐食する事がございません。据え付けもコンクリートを下地とし、がたつきの無い安定した施工をしております。この様な暗色かつナチュラルな造園資材は写真の様に近接して敷き詰めてもしつこくなく、お庭の中にふんだんに使用する事が出来ます。水栓までの通路も歩きやすく整備致しました。
ナチュラルガーデン中央に向けて傾くように据えられた六方石。お住まいリビングからも眺められる中央付近に向けて、素材の「向き」を調整しております。 中央空間に向けて角度や葉の向き、幹模様を揃える事で、お庭に統一感を持たせる事が出来ます。作庭から自然に時間を掛ける事で石や植栽の色合いも統一化され、より自然風の庭らしくなっていく事と思います。