杉並区Y様邸の浴室窓は隣家境界に面しており、高い場所からの目隠し効果も必要でありました。
樹脂フェンスを始めとする目隠しフェンスは一般的に1.8~2mの高さであり、これ以上高い部分の目隠しであれば植栽を用いる事が有効手段となります。
ですが日陰気味かつ隣地境界部におきましては生育・メンテナンス性の両面を考慮して樹種選択を行う事が必須となります。
こちらの施工例におきましては樹脂フェンスと植栽の両方を取り入れ、双方がもたらす景観を浴室より眺める事を意識した目隠し対策となっております。
スリムな奥行で施工が可能な樹脂フェンスであれば、こちらの様に狭小通路においても施工・設置が可能となります。樹脂フェンスそのものが軽量である為、表裏方向から強風が吹きつける場所でない限りは柱基礎コンクリートも大掛かりな規模とする必要もございません。
フェンスより上部、合わせて真上の角度からの目隠し対策として植栽を施しておりますが、こちらはソヨゴやコハウチワカエデ等を選んでおり、日陰による葉の減少を最低限に留める事が出来ます。
樹脂フェンスのカラーバリエーションは豊富でありますが、今回は当初から日陰を明るく見せるライトカラーを前提としており、尚且つ植栽とのバランスが美しいベージュカラーと致しました。
ベージュカラーはホワイトよりも柔らか味が感じられ、植栽のグリーンとのコントラストも美しく引き立ちます。また、アルミ柱材へも同色塗装が施されており、隙間から柱が見えても違和感を感じる事がございません。
ソヨゴに赤い実が成る季節はより美しい景観になる事と思います。
樹脂フェンスの通常サイズの柱は60mmであり、取り付けられる板材は10mm厚となります。ですのでフェンスが組み上げられた際の厚みは7cmで収める事ができ、この薄さであればあらゆる箇所への施工を行う事が可能です。
フェンスが薄い構造ですと手前へ迫り出してくる距離も小さく、こちらの施工例の様に手前に植栽を施す事も可能となります。
浴室から植栽の緑を眺める事を前提としておりますが、この様に背後へ美しいスクリーンがありますと葉の輪郭が浮かび上がり、緑はより美しく映える様になります。
ソヨゴは常緑樹でありますが、コハウチワカエデは冬季に落葉を致します。樹脂フェンスがあれば目隠し効果が損なわれる事もなく、スクリーン効果によって落葉した木の繊細な枝も眺められる様になります。
玄関前の小さな花壇への植栽施工
玄関脇、先程の通路への入り口となります場所には小さな花壇が設けられておりました。
こちらへは隣地越境やポストへの干渉が起こり難いソヨゴの株立ちを選んで植栽をしております。特に枝数が少なく風通しを妨げない樹形を選んでおりますが、小さなシンボルツリーとしての存在感がございます。
足下のコニファーグランドカバーやカレックスは乾燥にも強い為、通り沿いの花壇へは有効な植物と言えます。
シックなカラーの砂利も敷き込んでおり、小さなスペースへの施工がお住まいをおしゃれに見せてくれます。
ウッドの外壁が美しいお住まいでございますが、庭木の緑が加わるだけで双方が美しく引き立てあう事がお解りいただけるかと思います。
生育の緩やかなソヨゴであればほぼ放任状態で生育させる事も可能であり、数が少なくとも緑濃い葉がちらほらと美しいグリーンを添えてくれます。