今回作庭をさせていただきましたのは、玄関に設けられた地窓より眺める部分にあたり、毎日目にする大切なポイントとなります。
坪庭とも通ずる条件となる場所であり、日陰となる環境を活かしてしっとりとした風情あるデザインを考えました。
お客様の所有される石臼と灯篭の置き物があり、これらを作庭で活かす事と致しました。
坪庭づくりの際はこちら側から出入りをさせていただき、時折玄関から眺めを確認しながら施工を致しました。
スクリーンとなるウッドフェンスも低く設計しており、こちらをまたいで坪庭の中へ立ち入る事が出来ます。
メインとなる、玄関から眺める坪庭の風景です。
お客様所有の小さな灯篭と石臼は精巧かつサイズが小さく、こちらの坪庭に相応しい素材となっています。
庭の面積とのバランスが取れており、幅1mに満たない場所には見えない感覚を受けます。
コハウチワカエデは幹の立ち上がりのみを見せる形ですが、樹木の風情を感じられます。
苔類は部分的な僅かな日当たり具合や傾斜を考慮し、アラハオキナゴケ、シノブゴケ、コツボゴケ、カモジゴケを使い分けております。
石臼は年月を経て苔に埋もれた様な演出で据え付けをしておりますが、踏み台として機能する様にコンクリートで頑丈にセットされています。
同じく年月の経過を感じさせる鳥海石を景石として配置。苔が順調に育った際は苔と一体となる石質でありますので、将来的にも楽しみな坪庭と言えるのではないでしょうか。