M様邸のお庭は隣家様の玄関アプローチ、裏手のお宅の通路双方に面しており、フェンスも無い為に境界も不明確に見える状態でした。
そこで今回は目隠しとお庭のスクリーンを兼ねたキンメツゲの生垣を設置し、その内側へ和風の小庭を施工させていただく事となりました。
L字型にキンメツゲの生垣を設置し、その内側へ小さな和風のお庭をお作りしました。
今回の庭づくりは施工環境から「坪庭」とも言えると思います。
小さな面積の中でも、陽のあたる部分と当たりにくい部分がありますので、植栽の種類選びはこの点を配慮して行います。
玉竜やセキショウ、ナリヒラヒイラギナンテンやシモツケ等の半日陰向きの植栽は、日陰でこそ本来の美しさが得られますので、上手にレイアウトを行えばお庭に瑞々しい緑を添えられます。
背の高い庭木はイロハモミジのみとしており、存在感が薄れない様に主役として全面に出しております。
背景の生垣と主木のイロハモミジ以外は、背の低い低木や下草をレイアウトしています。
これにより、小さな庭でも足下は広く感じられる様になり、歩きやすい環境にもなります。
低木や下草は風通しも日光も妨げない為、お住まいへの風通しを悪化させる事もありません。
庭石(鳥海石)はそれぞれの大きさに変化を持たせ、前後に揺らす様にレイアウトをしています。
これにより砂利敷きエリアにも曲線の様なディテールが生まれ、デザイン性の高い坪庭風景になります。
隣地境界と目隠しを兼ねたキンメツゲの生垣です。
キンメツゲは生長して生垣として仕上がった際、ハッキリとした輪郭を持つ緑の壁となります。
ただし陽が当たりにくい箇所は部分的に枯れやすい為、植栽する際は陽当たり具合に注意しましょう。
こちらは隣家様側から見る生垣の様子です。
目隠しだけではなくしっかりとした境界としても機能しており、庭が独立した空間になっている事がお解かりいただけると思います。
隣家様にとりましても緑の生垣であれば圧迫感を感じる事もなく、気持ちの良い環境となります。