玄関という場所にて坪庭を制作する、いわゆる屋内(室内)造園の施工例となります。
屋外との最大の違いは、ほとんど日光が当たらない、雨が当たらない、地面も掘れない、といった様に環境・施工方法も全く異なる事になります。
東京都葛飾区にて、蹲を設えた室内坪庭の施工をお受け致しました。
室内にいながら屋外の様に感じられる、そんな坪庭風のデザインを考えてみました。
床に緩やかな高低差を加えて庭園の築山の様に見立て、屋外造園と変わる事のない立体感を演出致しました。
石材は全てコンクリートにて固めており、がたつきや倒壊に対する安全対策を行ってあります。
蹲に必須であります、手水鉢を照らす意味合いを持つ灯籠の佇まいです。
近年ではなかなか目にする事のない、細やかな彫りや柔らかなラインを持つ国産灯篭です。
美しくも目立ち過ぎない、独特の存在感で手水鉢に寄り添います。
地面の表情はもちろん、庭石が部分的に苔蒸す様子も細かく手作業にて再現致しております。
乾燥コケ(ドライモス)を随所に散らした蹲周りの様子です。
苔の盛りつけは随所の厚み付け、濃淡、石への浸食加減も細かに自然を再現する形と致しました。
蹲には役石も配しておりますので、茶事の際に実際に使用していただく事も出来ます。