暗くなりがちな日陰環境であったお庭へ、和風のデザインを施した施工例です。
日陰特有の環境条件を考慮しつつ、逆に日陰を活かした瑞々しいお庭にするべく作庭を致しました。
庭づくりの主なポイントとしましては、
- 駐車場とお庭の区切りには、視線も風も通す四つ目垣を
- 植栽は耐陰性、耐乾燥性に優れた樹種を
- 庭石は小さめに抑え、険しさや自然味が感じられる様に
- 水捌け対策としての土壌改良を始め、砂利を厚めに敷く事で水溜りを防止
この様になっております。
お庭づくりは、まず駐車スペースの区切りと生垣作りから行いました。
生垣の樹種は寒椿で、背後の塀を緑によって目隠しする目的があります。
手前に設置した四ツ目垣は光も風も通しつつ、美しい和風のアクセントを添えてくれます。
四ツ目垣はいわゆる「透かし垣」の代表ともいえる様式で、目隠し効果ではなく敢えて景観を透かして区切るアクセントとしての役割を持っています。
日陰の立地に静かに佇む和風のお庭です。
日陰向きの植木を使用し、濃緑色の植栽を多く使用致しました。
暗い庭ですが、背景に人工竹垣を施工する事によって明るさを加えており、アラカシの枝葉も美しく浮き上がって見えます。
低木についても葉の色の明るい洋風樹種は使用せず、静かな雰囲気を損なわないお庭を演出。
ヒイラギナンテンや沈丁花、クリスマスローズなど、日陰を代表する低木や下草を植栽しております。
立木はヒメシャラやソヨゴ等、日陰~半日陰に適応する庭木を選んでおり、日陰特有の美しい葉色に育っていきます。
低木類を中心にあしらった手水鉢周り。濃緑の葉が印象的なカンツバキや、ラン系の下草類を多数添えてあります。
写真奥は駐車場ですので、庭への風通しを妨げない様に四つ目垣で仕切っております。
日陰向きの低木と合わせる様に、鉄鉢型の手水鉢を用いて蹲を構成しております。
暗くても風情を感じられる、和庭の良さを存分に感じられるのではないでしょうか。
手水鉢へ水が落ちる様子です。
静かなお庭ですので、水音が心地よく響きます。
日陰のお庭ですので周囲の庭石には時間をかけて苔がつき、より趣あるお庭となっていく事でしょう。
尚、こちらのお庭の施工の様子はお庭づくりブログ:足立区O様邸造園工事 日陰にひっそりと佇む和風の庭づくりにてご紹介をさせていただいております。